日本人の強み:聞く力と整理する力
竹崎:欧州で働く中で、日々意識・工夫していることはありますか?
山田:仕事で気をつけていることは、なるべく簡潔に話すことです。欧州では、みんなが話したがる傾向があり、長く話すと被せられてしまうので、要点をパッと言うようにしています。取引先とのミーティングでも誰もシーンとなる瞬間がないくらいずっと誰かが話しているので、聞く側に回りつつ、話したことをアクションに落とし込んで「いつまでに誰が何をする」と整理するオーガナイゼーション力を意識しています。日本人としての聞く力や整理する力を、自分のバリューに変えられるよう日々考えています。
欧州と日本の働き方・文化の違い
山田:国や会社、ロールが異なるため単純な比較は難しいですが、文化面での違いは大きく感じました。
仕事とプライベートの明確な区別が欧州では顕著で、5時半になると「じゃあね」と帰る人が多く、最初は驚きました。Apple Japanではマネージャーが帰るまで残るような雰囲気こそなかったものの、欧州の方がより個人のペースで動く傾向があります。他の人が仕事をしていても、5時半や6時になれば気兼ねなく帰れる環境は気が楽でした。
ファシリティ面では、アマゾンの自転車ストレージやシャワーの完備が素晴らしく、朝、自転車で通勤してシャワーを浴びてすっきりした状態で仕事を始められます。テムズ川沿いのサイクリングレーンも整備されていて、リフレッシュできる環境が整っています。
職場の多様性も特徴的で、スペイン人、フランス人、インド人など様々な国から来た人がいるため、それぞれ英語のアクセントも話し方も違います。帰国子女ではない自分の日本語アクセントも、他の人も同じように母国語のアクセントがあるので気が楽でした。
西村:アクセントの話は本当に共感できますね。欧州のアマゾンでは、みなさん流暢に英語を話しますが完全なネイティブではないので、その点は気が楽です。一方、Amazon US本社などアメリカで働く場合は、英語のアクセントやレベルに対するプレッシャーも違ってくるかもしれません。
中村:アメリカに住んでいた時は、きれいな英語を話さないとなかなか聞いてもらえないことが多かったですが、EUでは他のみんなもアクセントがあるので、そういった点は全く気になりませんでした。
日本から海外に移るなら、今の経験から感じるのは、日本から欧州の方が日本からアメリカよりも馴染みやすいのではないかということです。実際には、言語面でのプレッシャーが少ない分、欧州の方が働きやすいと感じました。
竹崎:私も、欧州に来るまでは遠い国というイメージがありましたが、実際に行ってみると、アメリカよりも日本人には馴染みやすい面もあると感じました。
コミュニケーションスタイルも、日本とアメリカは真逆な部分が多いですが、欧州はその中間くらいで、合理的でありながら長期的な人間関係も大事にしています。例えば、仕事の付き合いで取引先と一緒にオシャレなカクテルパーティーを開催したりします。こうしたウェットなアプローチは、アメリカでは経営層を除いてあまり見られません。
山田:特にイギリスは島国なので、日本と似ている、と感じる場面も多いですね。


