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2026.04.09 15:15

日本のバイオテックは世界のVCマップに載れるか? 海外トップVCらの「証言」

「Japan Biotech Showcase & Symposium」は3月25日・26日、東京で開催された

最大の課題はパッケージング

芦田氏は、日本のバイオテックの課題を「科学の質は高いが、投資可能な形にパッケージングされていない」ことにあると指摘しました。

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TPGの布施氏は、日本のスタートアップの課題として「価値の転換点(インフレクションポイント)までの道筋を明確に語れない」点を指摘します。

具体的には、トップクラスの経営陣は、どの患者層を狙い、どの差別化を実現し、どのようなデータをもって価値を証明するのか、そしてそこに至るまでの資金計画を即座に説明する必要がある。これが、世界のトップ企業に比べて不十分といいます。

また、Curie.Bioのアウスピッツ氏はさらに踏み込み、「投資判断の核心は臨床試験デザイン、すなわち“人での検証計画”である」と述べます。技術やシーズの説明に偏り、最終的な臨床価値の証明設計が弱い点は、日本に限らず初期バイオテック全般の課題だが、日本では特に顕著だといいます。

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人材と起業文化━━「成功例」が変える

もう一つの論点が、人材と起業文化。

日本の製薬企業には優秀な人材が豊富ですが、彼らをスタートアップの世界へ引き出すことがエコシステム活性化の鍵となります。大手製薬企業からスタートアップへ人材が流出しにくい構造について、登壇者は「典型的な鶏と卵の問題」と指摘します。

米国では、大手製薬企業を辞めてスタートアップに挑戦することは一般的ですが、日本ではまだ高い障壁があります。Norwestのマテシック氏は、「リスクを取る文化」と「成功時の経済的リターン」が重要だとし、米国のように「挑戦すれば人生が変わる」環境が必要と語ります。

一方、SR Oneのダドゥ氏は、「失敗を許容する文化」が起業を後押しすると強調。「もし失敗しても、その経験を高く評価して再び大手企業や別のスタートアップに戻れる文化が必要だ」と述べました。

Frazierのシンプソン氏はサンディエゴの例を引き合いに出し、「一つの大きな成功(Hibertech)が、そこから何百ものスタートアップと富を生み出す連鎖を作った。日本にも『最初の成功例』があれば、そこからエコシステム形成の引き金になると期待を寄せました。

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