この記事が公開される頃には、米航空宇宙局(NASA)の有人月探査ミッション「アルテミスII」の宇宙飛行士たちは、地球よりも月にずっと近い位置にいるだろう。月を周回する間、彼らは将来の月面有人探査に向けた準備としてさまざまなテストや訓練を行う。そして、人類がこれまで見たことのない月の裏側の姿も目にすることになる。
月へ向かう途中、宇宙船「オリオン」に搭乗する宇宙飛行士のリード・ワイズマンは象徴的な写真を撮影した。わたしたちは皆、まさに今この惑星の上に生きているのだ。
イースター(キリスト教の復活祭)の週末に届いたこの写真には、ふと立ち止まって考えさせられるものがある。感謝すべきたくさんのことを思い出させてくれる1枚だ。また、この写真からは7つの科学的な学びが得られる。それを掘り下げてみよう。
2つのオーロラ
一見しただけでは見分けがつきにくいが、この写真には、南北両極の付近にそれぞれ出現したオーロラが写っている。わかりやすくするため、北極のオーロラの部分を拡大した画像が以下だ。
地球を玉ねぎの皮のように包み込んでいる、かすかな緑色の光が見えるだろうか。これが「オーロラ・ボレアリス(北のオーロラ)」、すなわち北極光である。「オーロラとは、太陽と地球の間で生じる『宇宙天気』と呼ばれる粒子と磁気の複雑なダンスが織りなす、色彩豊かでダイナミックな、それでいて繊細にも見える現象だ」とNASAは説明している。
元の画像をよく見ると、南極付近にも「オーロラ・アウストラリス(南のオーロラ、南極光)」が見える。
地球の大気圏は実に薄い
筆者は大気科学者なので、大気についてよく考える。わたしたちは大気に包まれて暮らしており、さまざまな気象や天気は、大気があるからこそ生じている。また、成層圏は太陽から届く有害な紫外線からわたしたちを守っている。
空を見上げたり飛行機に乗ったりすると、人間の視点からは地球がかなり厚い大気に覆われているように思えるかもしれない。しかし実際には、地球の大きさに比べて、地球の大気は非常に薄い。



