宇宙

2026.04.06 10:30

「アルテミスII」の宇宙船から撮影した美しい地球、写真から得られる7つの科学的学び

NASAの宇宙飛行士で「アルテミスII」のミッション・コマンダー(船長)を務めるリード・ワイズマンが宇宙船「オリオン」から撮影した地球。2026年4月2日撮影(NASA/Reid Wiseman)

NASAはこう述べている。「地球は直径約8000マイル(約1万2800km)の球体だが、大気の厚さは約60マイル(約100km)しかない。(中略)もし、地球がバスケットボールほどの大きさだとしたら、大気の厚さはボールに薄いプラスチックシートを巻きつけることで表現できる」

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この薄い大気の層は、重力によって地球に引き留められている。大気は流体であり、その空間的・時間的変化が地球上の気象プロセスを決定づけている。公開された写真には、いくつかの気象現象や雲の形成過程がはっきりと写っている。

黄道光

この写真には「黄道光」も写っている。黄道光についてNASAは「春分の日の前後の日没後と、秋分の日の前後の日の出前に見られる、ぼんやりとしたピラミッド型の光」と表現している。「偽の夕暮れ(false dusk)」や「偽の夜明け(false dawn)」とも呼ばれる。

地表からはピラミッド型や円錐形に見えるが、オリオンから撮影した地球の写真では、右下に淡い光の霞として確認できる。これは太陽光が惑星間塵によって散乱することで生じる現象だ。

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南米チリのベラ・C・ルービン天文台と黄道光(RubinObs/NOIRLab/SLAC/NSF/DOE/AURA/H. Stockebrand)
南米チリのベラ・C・ルービン天文台と黄道光(RubinObs/NOIRLab/SLAC/NSF/DOE/AURA/H. Stockebrand)

地球は月明かりに照らされている

トップの写真の地球が明るく見えるのは、太陽の光に照らされているからだと思うかもしれない。だが、それは勘違いだ。カナダ・ペリメーター理論物理学研究所の宇宙物理学者ケイティー・マックはSNSのBluesky(ブルースカイ)への投稿で、この地球は「月明かりに照らされた夜側だ」と指摘している。

「太陽は完全に地球の背後にある。一種の日食のような状態だが、月ではなく地球が(太陽を)遮っているのだ」とマックは説明。よく見ると、イベリア半島の街明かりが確認できると述べている。

NASAの宇宙飛行士で「アルテミスII」のミッション・コマンダー(船長)を務めるリード・ワイズマンが宇宙船「オリオン」から撮影した、逆光に照らされた地球の夜側の眺め。2026年4月3日撮影(NASA/Reid Wiseman)
NASAの宇宙飛行士で「アルテミスII」のミッション・コマンダー(船長)を務めるリード・ワイズマンが宇宙船「オリオン」から撮影した、逆光の地球(夜側)の眺め。2026年4月3日撮影(NASA/Reid Wiseman)

ちなみに、夜の地球の画像(夜間光画像)は、月明かりを利用して低軌道衛星から撮影されるのが一般的だ。

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翻訳・編集=荻原藤緒

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