北米

2026.04.05 08:00

NATOからの脱退をほのめかしたトランプ米大統領、実行可能性は?

ドナルド・トランプ米大統領。2025年6月25日撮影(Omar Havana/Getty Images)

米国内でもトランプ大統領の発言に反発の声が上がっている。民主党のクリス・クーンズ上院議員とジーン・シャヒーン上院議員は、2001年9月11日に起きた米同時多発テロの際、NATOは米国を支援したと反論した。共和党のミッチ・マコーネル上院議員とトム・ティリス上院議員も、NATOから脱退するという大統領の発言に対し反対を表明した。ジョン・スーン上院多数党院内総務は、米国がNATOから離脱する可能性について、上院には「その意思がない」と強調した。

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トランプ大統領がNATOからの脱退をほのめかしたのは、今回が初めてではない。米紙ニューヨーク・タイムズは、第1次トランプ政権時代の2018年、同大統領がNATOから「脱退したい」と発言したと報じた。だが、当時のジェームズ・マティス国防長官とジョン・ボルトン国家安全保障担当大統領補佐官は、NATOからの離脱を阻止すべく大統領に働きかけた。こうした出来事を受け、米議会は2023年12月、上院の承認または法律なしに大統領がNATOから離脱することを禁じる法案を圧倒的多数で可決した。当時、フロリダ州選出の共和党上院議員だったルビオは、同法案の共同提案者の1人だった。

つまり、議会によって課されている現在の法的制約を考えると、トランプ大統領が米国をNATOから脱退させられる可能性は低い。他方で、米国のイラン攻撃によって、NATO加盟国との緊張は高まっている。中東情勢の専門家や観測筋は、向こう数週間で米国の外交政策と国家安全保障戦略がどのように展開していくのか、また、欧州の同盟国との関係が今後の米国の政策決定にどのような影響を与えるのか、注目していることだろう。また、トランプ大統領がNATOへの関与を巡って議会に異議を唱えるかどうか、それに議員らがどう反応するのかについても注目が集まるだろう。これらの議論から何が導き出されるかによって、NATOの将来だけでなく、米国にとっての欧州との関係も形作られることになる。

forbes.com 原文

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翻訳・編集=安藤清香

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