高まる利益相反の懸念
ヘグセスの疑惑に加え、トランプ政権では多くの高官たちが利益相反の懸念を抱えている。プロパブリカの報道によれば、彼らの多くが自身の役割と利益相反する可能性のある企業との繋がりを持っているという。スティーブン・ファインバーグ国防副長官は防衛関連企業を所有するサーベラス・キャピタル・マネジメントとの関係を維持している。パム・ボンディ司法長官(編注:米国時間4月2日、解任が発表された)、スージー・ワイルズ大統領首席補佐官といった元ロビイストたちも、かつてのクライアントに利益をもたらす立場にある(すべての政府高官は不正や倫理的衝突を否定している)。
今回の件に先立ち、ヘグセスは2025年4月、市場を震撼させた「リベレーション・デー(開放の日)」関税が発表される直前に自身の保有株(10万ドルから55万ドル[約1600万~約8700万円]相当)を売却したことでも物議を醸していた。倫理当局者は非営利政治メディアのNOTUSに対し、これらの取引が直ちにインサイダー取引に該当する可能性は低いとしながらも、ヘグセスの立場に鑑みれば精査されるべきだと述べた。
キャンペーン・リーガル・センターの倫理ディレクターを務めるディレーニー・マルスコはNOTUSに対し、「不正の疑い、インサイダー取引の疑い、あるいは人々が米国民のために働くことよりも自身の株式ポートフォリオに目を向けているという疑念は、実際に違反が起きた場合と同じくらい重大な問題だ」と語った。
なお、もしヘグセスが2月に防衛ファンドに投資し、そのまま保有し続けていたとしたら、実際には損をしていたことになる。イラン攻撃開始以来の1カ月間で、同ファンドは約13%下落しているからだ。ブラックロックのウェブサイトによれば、侵攻開始数日前の2月最終週に投資された1万ドル(約159万円)は、FTの報道が出た3月30日時点で8857ドル(約141万円)の価値しかなかったことになる。


