2026.04.03 10:30

中国EVメーカー・MGが年内に市場導入する「半固体電池」とは?

MGは、欧州で販売する「MG4 EVアーバン」に半固体電池を採用する(MG MOTOR)

MGは、欧州で販売する「MG4 EVアーバン」に半固体電池を採用する(MG MOTOR)

固体電池は長年、電気自動車(EV)において究極の理想とされてきたが、未だ実用化には一向に近づく様子がない。しかし、ついにその技術を用いた初の量産EVが年内に発売される見込みだ。

advertisement

MG(かつては英国のスポーツカーブランドだったが、現在は中国・上海汽車グループ傘下で主に電動自動車を手がけるブランド)が2026年内に欧州市場に投入する「MG4 EVアーバン」に搭載されるバッテリーは、「全固体電池」ではなく、「半固体電池」となる。

なぜ、それが大騒ぎされるほどのことなのか? 同社が欧州で初めて開催した技術発表会で、MGのグローバル・チーフ・バッテリー・サイエンティストを務めるジョン・リー(Li Zheng)博士は、半固体電池がEVにさらなる進歩をもたらす理由を説明した。

なぜ半固体電池なのか?

固体電池は、現在のEVに使われている液体電解質を使った電池と比べて、エネルギー密度が高く、急速に充電でき、安全性が向上する見込みがあることから、大きな注目を集めている。ドイツのBMWは、この技術が欧州におけるEV市場の巻き返しに寄与する可能性があると推測している。

advertisement

固体電池はエネルギー密度の高さから、従来のEV用バッテリーと同じ重量でエネルギー容量が30~50%大きくなる。あるいは、同じ容量ならバッテリーの重量を30~50%軽くできる。また、充電時間は最大で80%短縮できる。電極の劣化が抑えられるために寿命も長くなる。低温下でも液体の電解質が凍結しないため、性能の低下が少ない。固体の電解質は揮発性がないので、発火のリスクも大幅に低減される。

MG4 EVアーバン(MG MOTOR)
MG4 EVアーバン(MG MOTOR)

しかし、MGは未だ完全な固体電池の実用化には達していない。同社の電池は「半固体」であり、電解質の95%のみが固体であるという。「つまり、我々のバッテリーにはまだ5%の液体電解質が残っているというわけです」と、リー博士は語った。「しかし、従来のバッテリーは20%が液体です。私たちはリチウムの使用量を減らしました。リチウムが減るということは、液体が減るということを意味し、安全性が向上します」。しかしながら、正極と負極の間に確実な通電性を確保するためには、5%の液体を残す必要があると、リー博士は主張する。

MGが「SolidCore(ソリッドコア)」と呼ぶこのテクノロジーを採用する最初のクルマに選ばれたのは、今年の初めに英国で発売されたMG4 EVアーバンだ。このクルマは当初、先に発売された「MG4 EV」の弟分として投入されたが、半固体電池を搭載したモデルがラインナップの中でどこに位置づけられることになるのか、現時点ではMGから説明はない。

次ページ > 半固体電池の性能的利点は?

翻訳=日下部博一

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事