中国では2025年のオート上海(上海モーターショー)で発表されたMG4 EVアーバンは、53.95kWhの半固体電池を搭載し、航続距離(一度の充電で走行可能な距離)は530kmと謳われている。しかし、これは国際的な統一の試験法であるWLTPより楽観的な、中国独自のCLTCモードでの数値だ。実際の航続距離はWLTPモードで420km程度、EPA(米国環境保護庁)基準では350km程度になるだろう。だが、MGはバッテリーの容量の2倍の電流で充電する急速充電「2C充電」の適用を約束しており、十分な出力のDC(直流)急速充電器を使えば、電池容量の30%から80%まで約21分間で充電できるという。
半固体電池の性能的利点
リー博士は他にもいくつかの利点を列挙した。「出力の応答性が向上するでしょう」と彼は言う。「同時に、充電時間が短くなり、低温環境下の性能も改善されます。リン酸鉄リチウムイオン(LFP)電池と比べて、車両の加速性能も向上します」
リー博士の説明によれば、半固体電池の正極材料が3次元的なスピネル構造を持つのに対し、ニッケルコバルトマンガン(NCM)電池は2次元、LFPは1次元であるため、半個体電池であるSolidCoreバッテリーの性能は、NCMやLFPよりも向上しているという。従来のバッテリー技術と比較すると、信頼性は20%、低温環境下の充電速度は15%、出力は20%、それぞれ向上すると見られている。
とはいえ、半固体電池は単一の化学組成には限らない。様々な選択肢によって、異なる特性を提供できる。
「我々は、リチウムマンガン酸化物(LMO)を、MG4 EVアーバンに採用しました」とリー博士は語る。「第2世代では、マグネシウムの一部をニッケルに置き換える予定なので、化学組成はリチウムニッケルマンガン酸化物(LNMO)と呼ばれるようになります」。これにより、エネルギー密度と充電性能がさらに向上する。「将来的にはリチウムマンガンリッチ(LMR)を導入する予定です」。それによってエネルギー密度はLFPと比べてさらに高まる。これらの電池はLFPと同様に、いずれもコバルトを使用しない。


