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2026.04.01 15:32

副業から年商180万ドル企業へ──Facebook Marketplaceで成功した夫婦の戦略

Bilal Ulker - stock.adobe.com

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ハリソン・ゴードンとペイジ・サンドハーが初めての家を購入したとき、夫婦は気に入るカスタムソファが見つからなかった。しかも手頃な価格のものとなると、なおさらだった。

そこでカナダ・バンクーバー在住の2人は、メーカーに直接当たることにした。家具業界にいる友人から提供された候補メーカーのリストを上から順にあたり、プロジェクトを引き受けてくれる相手が見つかるまで交渉を重ねた。

仕上がりに大いに満足した2人は、同様のソファを作ることを軸にビジネスを立ち上げられないかと考えた。完成したソファの画像をFacebook Marketplaceに投稿すると、2人がデザインしたモジュラーソファを気に入ったデザイン好きがすぐに現れた。

「名前もブランドもなく、ウェブサイトのレビューもない段階で、すでに4人ほどが購入したいと言ってきた」とサンドハーは語る。

2021年3月までに、2人はアイデアを家具ビジネスへと形にし、CouchHausを立ち上げた。その後まもなく、自宅をショールームとして活用し、購入希望者に30〜45分の個別相談を行うようになった。「最初の1週間で、4人が2000〜3000ドル(約30万〜45万円)の商品を購入する意思を示してくれた」とサンドハーは言う。30日間で売上は12万ドル(約1800万円)に達した。

ゴードンとサンドハーは、急速に広がるトレンドの一端を担っている。調査会社Market.usのデータによれば、小規模事業者の3分の1がFacebook Marketplaceを使って商品をマーケティングしている。買い物客もこのプラットフォームに集まっており、CapitalOne Shoppingによると、Facebookのユーザー30億7000万人のうち40%が定期的に購入を行っている。

CouchHausの場合、創業者は顧客がソファのスタイルとサステナビリティの両方を重視していることに気づいた。詰め直し可能なクッションはソファの寿命を延ばし、洗えて付け替えられるカバーはスタイル変更を容易にする。

試行を始めて約9カ月後、つまり2021年12月ごろ、夫婦はバンクーバーにポップアップ店舗を開設し、初の従業員として営業担当者を採用した。初年度の年間売上は180万ドル(約2億7000万円)を達成。2024年3月までに、常設店舗の賃貸契約も結んだ。

自己資金で立ち上げたこのビジネスは販売地域をカナダ国内に限っているが、2026年には8桁の売上を見込んでいる。共同創業者は2027年末までに新店舗を2〜4店開設することを目標に据える。創業以来、チームは従業員5人(店舗スタッフ3人、アシスタント2人)と、契約社員5人へと拡大した。

なぜこれほど急速に成長できたのか。彼らが用いた主要な戦略を紹介する。

初期需要への対応を迅速に行う。最初の4件の注文を得てから1週間以内に、2人はブランド名CouchHausを作り、ウェブサイトを立ち上げ、購入希望者を自宅に招いて商品を見せ始めた。ソファはすっきりとしたモジュラー設計で、洗えるカバーと詰め直し可能なクッションにより、サステナビリティも支える。

この成功を足がかりに、2人は有料のFacebook広告でソファを訴求し、ソーシャルメディアにも投稿を始めた。注文が入るにつれ、事業の成立が確認できた。「あれは『腑に落ちた瞬間』だった。顧客は、私たちが提示できる価格でカスタム製品を求めていた」とサンドハーは言う。

2人はすでに起業経験があった。ゴードンは直近ではルーフトップテント会社Squatchboxを創業し、サンドハーはソーシャルメディアエージェンシーPulse MediaでCOO兼社長を務めていた。

「リーン」な受注を徹底する。CouchHausは自己資金で始めたため、夫婦は創業資金を最大限に活かす必要があった。顧客が事前注文し、その資金で工場に支払い、2〜3週間でソファを届ける仕組みを構築した。これにより在庫や倉庫のコストを排除し、カスタム製品では達成が難しい高い利益率を実現した。「非常に良いキャッシュサイクルだった」とサンドハーは語る。

サプライヤーと強固な関係を築く。夫婦は、忠実なサプライヤーに絞り、数量に応じた価格設定を活用する方が、事業の収益性を維持しやすいことを見いだした。「毎週一定数のソファを供給できると工場に約束できる限り、コストを下げられる」とゴードンは言う。ソファは海外で製造し、生地は顧客の要望に応じて発注することで、在庫として保有するコストを避けている。

改善を続ける。共同創業者は、購入者と直接話しながら顧客のフィードバックに応じてソファと事業全体を継続的に改善している。「それが、顧客が求めるものに合わせて成長し、反復できるようにしてくれた」とサンドハーは言う。最新の取り組みとして、CouchHausは完成後のソファがどう見えるかを示すAI搭載の3Dビジュアライザーを開発している。

1人でやらない。2人は若手起業家のためのグループ「The Founders Club」に参加し、アイデアやつながり、ほかの起業家との友情を得るうえで有益だったという。同グループはメンバーへの勧誘を禁じているが、間接的な紹介という形で貴重な機会が生まれている。2人はクラブで得たつながりを通じてCFOを採用した。また、クラブの一部メンバーは顧客でもあるためブランド理解が深い。「すでに自宅に私たちのソファがある人が何人かいる」とサンドハーは言う。「マスターマインドで会って、『もうあなたの商品を持っている』と言われたのは面白かった」

forbes.com 原文

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