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2026.04.01 07:30

第1次AI戦争──イラン攻撃は戦争をどう変えているか

matejmo / Getty Images

陸・海・空・宇宙・サイバー空間からなるマルチドメイン統合

2026年1月にベネズエラの独裁者ニコラス・マドゥロを拘束するために実施された「断固たる決意(アブソリュート・リゾルブ)」作戦と、現在のイラン紛争はいずれも、現代戦があらゆる領域のシームレスな統合を必要とすることを示している。陸・海・空という従来の領域に加え、宇宙とサイバー空間である。

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米宇宙軍は、軌道上の赤外線センサーを通じてリアルタイムのミサイル警戒データを提供し、イランの弾道ミサイル発射をミリ秒単位で検知した。SpaceXのスターリンクとスターシールドのネットワークは、妨害困難で強靭な低軌道通信を提供し、ドローンの制御を可能にした。商用衛星ネットワークは重要な軍事インフラとなり、軍民の境界を曖昧にし、一部のアナリストが「本格的な『商用宇宙戦争』の初例」と呼ぶ状況を生み出した。

サイバー空間では、米サイバー軍とIDFが開戦直後にイラン軍の通信を妨害し、イランの指揮・統制・通信・センサーのネットワークを機能不全にして初動の航空作戦を容易にした。イランは報復として、米国のAI依存システムを「盲目化」するため、UAEのAWSデータセンターを攻撃し、軍が商用クラウド基盤に依存することの重大な脆弱性を露呈させた。米国とイスラエルのオペレーターは、イランの国営メディア、モバイルアプリ、データインフラも標的にし、米当局者は、宇宙とサイバーの統合作戦によって初動の攻撃波の間、イラン指導部を「混乱させ、方向感覚を失わせ、困惑させた」と述べた。

とりわけイスラエルは、大規模な情報作戦を展開してきた。人気のイラン製アプリへの侵入や、国営放送チャンネルの断続的な乗っ取りを含め、反体制メッセージを押し出し、指導部の斬首攻撃がもたらす衝撃を増幅させたのである。広範な攻撃と手法を通じて、サイバー作戦はもはや並行する別の戦場ではなく、キネティック(物理的)作戦に直接統合された戦力倍増装置となった。

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ヘッジ戦略の必然性

退役海軍少将ロリン・セルビーと筆者は2023年、戦力態勢を変える必要性について論じた。それは、コストが高く、複雑で、数も限られる「精緻(exquisite)」なシステム――B-2、F-35、航空母艦――を補完するヘッジ戦略を採用し、商用技術を用いて迅速に投入できる小型・低コスト・無人・高性能の兵器を組み合わせるべきだという主張である。米国の主要兵器システムの多くは30年以上前のもので、新システムが実戦配備されるのは2030年代まで待たねばならない。イラン戦争はこの論旨を実証した。低コストのドローンとAIは、従来型プラットフォームと並んで決定的な役割を果たし、スターリンク、AIモデル、商用既製ドローンといった商用技術も同様だった。

その含意は中東にとどまらない。インド太平洋で中国を抑止するにも、同じ転換──「精緻」より「量」──が必要である。同盟国も、国防請負企業の長期バックログに左右されない費用対効果の高いシステムの恩恵を受ける。イラン戦争の教訓はすでに明らかだ。スケール生産できる低コスト兵器への、より速く、より広範な転換がなければ、米国は敵対国に対して「真珠湾型」の能力ギャップを抱えるリスクがある。最初のAI戦争は、この概念に対するさらなる証拠を提示した。精密な量を目標に投射するマルチドメインかつAIベースのオーケストレーション(統合運用)の新時代は、すでに今日ここにある。時間の猶予はない。

forbes.com 原文

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