2026年4月には、2つの彗星が夜空に現れそうだ。だが、それが目を見張るような光景となるのか、それともぼんやりとした光の点で終わってしまうのかは、まだわからない。
「C/2026 A1(MAPS)」(マップス彗星)と「C/2025 R3(PanSTARRS)」(パンスターズ彗星)は、いずれも太陽系内へと接近しており、天体ファンに貴重な二重のチャンスを提供してくれる。ただし、観測の見通しは大きく異なる。
マップス彗星は太陽に耐えられるか?
先に出現するのは、マップス彗星(C/2026 A1)だ。太陽をかすめる公転軌道を持つ「サングレーザー」と呼ばれる彗星の一群「クロイツ群」に分類される彗星で、4月4日~5日頃に太陽に最も近づく「近日点」を通過する。このとき驚くほど明るい輝きを放つ可能性があるが、それは同時に、彗星が崩壊してしまうかもしれないことをも意味する。
クロイツ群彗星は、何世紀も前に分裂した巨大彗星の破片だと考えられている。その多くは、太陽の強烈な熱と重力にさらされると崩壊してしまう。
今年1月に発見されたマップス彗星は、推定直径約400mと比較的小さな核を持ち、特に崩壊しやすい状態にあることがわかってきた。だが、もし太陽接近時に崩壊せず持ちこたえれば、4月上旬にほんのひととき輝きを増して、肉眼でも見えるようになる可能性がある。また、夕暮れ時には明るい尾も目撃できるかもしれない。
一方で、崩壊してしまった場合は、目に見えるようになる前に完全に消滅してしまうおそれもある。
マップス彗星は「いつ・どこに・どんなふう」に見える?
観測はやや難易度が高い。狙いどきは日の入り30~45分後で、中~高緯度の地域なら西の超低空に現れる。
近日点が近づくにつれて明るさは増すが、太陽の眩しさに遮られて見えにくくなってしまう。増光のピークとなる4月4日~5日頃の位置は地平線に非常に近く、尾しか見えないかもしれない。観測条件が最良でも、双眼鏡が必要になるだろう。
アマチュア天文団体の英国天文協会(BAA)によると、マップス彗星の核は近日点到達前に分裂する可能性が高いものの、もう少し長く持ちこたえられれば、4月9日頃の夕空に明るく輝く尾を見ることができるかもしれないという。後者のシナリオならば、2011年のラブジョイ彗星を彷彿とさせる、かなり壮観な光景を目撃できるはずだ。



