リーダーシップ

2026.03.29 04:13

チームを燃え尽きさせる「業務山積み現象」、リーダーが見逃す5つの兆候

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新しい仕事を始めた初日のことを覚えているだろうか。おそらく将来への楽観と希望に満ちあふれていたはずだ。しかし数カ月が経つにつれ、業務量は増え、研修やサポートは減っていく。半年も経てば、かつての新人らしい熱意は失われているかもしれない。Wileyの最新調査は、この現象を「The Great Pile-On(業務山積み現象)」と名付けている。業務量がキャパシティを超えて増加し、比較的新しい従業員を燃え尽きさせてしまう現象だ。

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組織が厳しい予算、少ない人員、そしてテクノロジーから経済・政治に至るまでの急速な変化に対応するなかで、大規模な変革施策や組織再編をいったん止め、より小規模な方向転換でしのぐようになっている。かつてのように変化に対応するための広範な改革や大規模な再編を行うのではなく、絶え間ない不確実性を前に、日々の意思決定へと移っているのだ。

Wileyの調査は、短期的なマネジメントと従業員の業務量増加の間に相関関係があることを示している。こうした業務量の増加には、新しい肩書きや昇進、昇給が伴わないことが多く、従業員のフラストレーションと燃え尽きを引き起こす。その結果、離職リスクが高まり、特に転職市場で競争力のあるトップパフォーマーほどその傾向が強い。

「この業務山積み現象は他の組織で起きていることで、うちには関係ない」と思っているかもしれない。しかし、この悪循環があなたの組織でも進行している可能性に驚くかもしれない。あなたのチームが業務山積み現象に陥っている5つの兆候を挙げよう。

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1. 短期的な「つなぎ」が新たな基準になっている

レイオフや組織再編後に「状況が落ち着くまで」同僚の業務を引き継いだはずが、6カ月以上経過しているなら、あなたは「手伝い」から「部門を支える柱」へと移行している。Wileyのデータによると、この状況にある人の60%が、恒常的に拡大した責任を負う状態で働いている。

2. 必要に迫られて独学している

本来は研修を受けていない高度な業務をこなしていないだろうか。業務山積み現象の大きな危険信号は、トレーニングの欠如である。予算管理、テクノロジースタック、チームマネジメントなど新しい分野で、正式なオンボーディングがゼロのままプロフェッショナルレベルの成果を求められているなら、あなたは成長しているのではなく、組織のひずみを吸収させられているのだ。

3. 昇進が消えた空白

増えた業務量に見合う昇進や昇給について尋ねても、返答が曖昧だったり、そもそも返ってこなかったりする。リーダーが「次のサイクルで見直そう」や「今はみんな何役も担っている」といった言葉を使いながら、昇進に向けた具体的な時期や基準を示さないなら、あなたは一方通行の価値交換に置かれている可能性が高い。

4. 「90日目の壁」にぶつかっている

調査によると、エンゲージメントの低下は3カ月を過ぎたあたりから2倍以上になる。追加業務を引き受けた当初は意欲的で生産的だったのに、今では士気の低下と慢性的な疲労を感じているなら、業務量がもはや持続不可能となる危機点に達している可能性が高い。

5. 上司が「進捗確認役」であり「業務削減役」ではない

業務山積み環境では、サポートは稀である。上司が行うのが業務の進捗(締め切りや成果物)の確認だけで、優先順位づけの支援や新たな依頼を断る手助けをしてくれないなら、その兆候かもしれない。追加業務を断る際に後ろ盾となってくれるリーダーがいなければ、山は積み上がり続けるだけだ。

こうした継続的な不確実性の中、組織が変化に迅速に対応する必要がある状況で、リーダーは燃え尽きを減らし、優秀な人材を維持するために何ができるだろうか。

予算の制約から即座の昇給が難しいことも多いが、調査によると、燃え尽きに対する最大の緩衝材はリーダーのサポートである。

  • 新しい「当たり前」を棚卸しする:ある業務が6カ月間も従業員の担当として載っているなら、それはもはや「追加」ではなく「仕事」だ。1on1でこれを正式に認め、努力を正当に評価する。
  • 「No」で守る:マネージャーにとって最も価値あるツールは「No」という言葉である。「No」はそれだけで一文だ。ハイパフォーマーほど境界線を引くのが苦手なことが多い。優先順位がぼやけるのを防ぐために、ここでマネージャーが介入しなければならない。
  • チェックインを標準化する:進捗確認を超えて問いかける。「今、手元のことで持続不可能だと感じるものは何か」と尋ねるのだ。
  • トレーニングギャップを埋める:従業員の31%がその場しのぎで回している。昇進が用意できなくても、専門能力開発や資格取得の機会を提供すれば、組織が成長に投資しているというシグナルになる。終日研修の時代は終わり、マイクロラーニングやオンラインコースが学習を補完し、能力を積み増す。
  • 徹底した透明性:採用凍結で昇進が不可能なら、その事実を率直に伝える。「様子を見よう」といった曖昧な約束は、厳しい真実よりも速く信頼を壊す。

業務山積み現象は、あなたの組織で必ず起きるものではない。強いリーダーシップがあれば、全員にとって機能する持続可能な職場文化へと方向転換できるのだ。

forbes.com 原文

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