日本の高等教育は、システムそのものの再編を迫る「人口動態の激変」という未曾有の現実に直面している。人口は急速に高齢化し、主な大学進学年齢である18歳の人口は、ピーク時の約半分まで減少した。かつて、国内の学生にほぼ全面的に依存していた機関にとって、その影響は甚大である。
こうした人口動態の変化は、日本で最も権威ある大学、東京大学の世界に向けた戦略的な学生募集への転換を後押ししている。その取り組みと深く結び付く人物が、東京大学の理事・副学長(国際、ダイバーシティ&インクルージョン担当)である林香里だ。
メディアとジャーナリズムの研究者で、東京でロイターの特派員を務めた経歴を持つ林は、現在、同大学のなかで最も対外的な役割を担うリーダーの一人だ。その職務は、従来の国際担当部署の枠をはるかに超える。国境を越えて学生、教員、研究連携の獲得競争が激化するグローバルな高等教育の舞台において、東京大学をどう位置付けるか。その責任を担っている。
「日本の人口動態を考えると、大学はもはや国内の学生だけを考えているわけにはいかない」と林は語る。「研究とイノベーションにおいてグローバルな競争力を維持したいのであれば、世界中の優秀な学生が、日本を学びとキャリア構築の場として選びたくなるような環境を整える必要がある」
課題は構造的である。日本の高等教育制度は歴史的に、高校から大学へと直結する国内中心の進路を軸に組織されてきた。卒業後は、日本の大企業が新卒を一括で採用する長年の制度を通じ、「日本型雇用」へシームレスに移行する。かつてそのモデルは急速な経済成長を支えたが、いまやグローバルな知識経済と高齢化という現実とは、かみ合いにくくなっている。
人口が減少するなか、日本の大学は、最終的に研究エコシステムと労働力に貢献し得る国際人材を呼び込むための潜在的な拠点として、ますます注目されている。林によれば、その転換には学術面と文化面の双方での変化が必要だ。英語で学位を取得できるプログラムの拡充や、留学生にとってより分かりやすい、柔軟な学修経路の整備などが含まれる。
「目標は単に留学生の数を増やすことではない」と林は言う。「日本人学生と留学生が学びの初期段階から交流し、真にグローバルな視点を育める学習環境をつくることだ」



