北米

2026.03.29 10:00

「不発」相次ぐトマホーク コストに見合わぬ延命、米国が抱える巡航ミサイル問題

2026年2月28日、「エピック・フューリー作戦」にて米海軍のアーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦「USSフランク・E・ピーターセン・ジュニア(DDG 121)」から発射されるトマホーク対地攻撃ミサイル(U.S. Navy Photo, Public domain, via Wikimedia Commons)

目標を撃破できないこと以外にも、不発弾には二次的な問題がある。イランには、鹵獲した無人機をリバースエンジニアリングしてきた長年の実績があるのだ。たとえば無人偵察機「ヤシール」は、米国の「スキャンイーグル」1機を鹵獲・無断コピーして製造された。「シャヘド171シームルグ」も、米国の無人偵察機「RQ-170センチネル」のコピーだ。イラン製のトマホークが登場するのも、時間の問題かもしれない。

advertisement

代替案としてのドローンの可能性

一方、現在では巡航ミサイルに代わる、より低コストの選択肢が存在する。対イラン攻撃では米国が初めて自爆型攻撃ドローン「LUCAS(ルーカス)」を投入した。

SEE
ALSO

経済・社会 > その他

「米国版シャヘド」中東に配備 米軍、イラン製の安価な自爆ドローンを模倣

advertisement

皮肉なことに、LUCASはイランが開発したシャヘドのコピーである。トマホークと比べて弾頭は小さく射程も短いが、標的が常に何百kmも先にあるわけではなく、目標の撃破に必ずしも1000ポンドの弾頭が必要なわけでもない。米海軍はトマホーク1発分の費用で約50機のLUCASを調達できるし、古いミサイルを改修する費用で40機以上を賄える。

米海軍のインディペンデンス級沿岸戦闘艦「USSサンタバーバラ(LCS 32)」の飛行甲板から発射される「低コスト無人戦闘攻撃システム(LUCAS)」。2025年12月16日、アラビア湾にて撮影(U.S. Army photo by Spc. Kayla Mc Guire)
米海軍のインディペンデンス級沿岸戦闘艦「USSサンタバーバラ(LCS 32)」の飛行甲板から発射される「低コスト無人戦闘攻撃システム(LUCAS)」。2025年12月16日、アラビア湾にて撮影(U.S. Army photo by Spc. Kayla Mc Guire)

しかし、レイセオンは2026年1月、さらに大規模な「トマホーク・ミサイルの再認証と近代化」に向けた3億8000万ドル(約610億円)の契約を獲得した。米海軍はただ単に旧式ミサイルを諦め、代わりに最新のLUCAS攻撃ドローンを1万機ほど購入することもできたはずだ。そうすれば、ロシアがウクライナで使用しているような、あるいはイランが備蓄しているとされるような攻撃ドローンの大群をわがものにできただろう。

米国の政権はいかなるときも米国製兵器の応援団であり、自国の兵器に対する批判を口にすることはめったにない。しかし、だれかが改修されたトマホークをじっくりと検証し、なぜ米国政府はこんなにも費用対効果の低い結果しか得られない場合がこれほどまでに多いのかと問いただすことを期待したい。

forbes.com原文

翻訳・編集=荻原藤緒

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事