目標を撃破できないこと以外にも、不発弾には二次的な問題がある。イランには、鹵獲した無人機をリバースエンジニアリングしてきた長年の実績があるのだ。たとえば無人偵察機「ヤシール」は、米国の「スキャンイーグル」1機を鹵獲・無断コピーして製造された。「シャヘド171シームルグ」も、米国の無人偵察機「RQ-170センチネル」のコピーだ。イラン製のトマホークが登場するのも、時間の問題かもしれない。
代替案としてのドローンの可能性
一方、現在では巡航ミサイルに代わる、より低コストの選択肢が存在する。対イラン攻撃では米国が初めて自爆型攻撃ドローン「LUCAS(ルーカス)」を投入した。
皮肉なことに、LUCASはイランが開発したシャヘドのコピーである。トマホークと比べて弾頭は小さく射程も短いが、標的が常に何百kmも先にあるわけではなく、目標の撃破に必ずしも1000ポンドの弾頭が必要なわけでもない。米海軍はトマホーク1発分の費用で約50機のLUCASを調達できるし、古いミサイルを改修する費用で40機以上を賄える。
しかし、レイセオンは2026年1月、さらに大規模な「トマホーク・ミサイルの再認証と近代化」に向けた3億8000万ドル(約610億円)の契約を獲得した。米海軍はただ単に旧式ミサイルを諦め、代わりに最新のLUCAS攻撃ドローンを1万機ほど購入することもできたはずだ。そうすれば、ロシアがウクライナで使用しているような、あるいはイランが備蓄しているとされるような攻撃ドローンの大群をわがものにできただろう。
米国の政権はいかなるときも米国製兵器の応援団であり、自国の兵器に対する批判を口にすることはめったにない。しかし、だれかが改修されたトマホークをじっくりと検証し、なぜ米国政府はこんなにも費用対効果の低い結果しか得られない場合がこれほどまでに多いのかと問いただすことを期待したい。


