メジャーリーグ上位10選手の総年収は約859億円、増加の大部分は大谷によるもの
2026年のMLBのトップ10選手の総収入は、5億3700万ドル(約859億円)に達する見込みで、2011年にフォーブスが、「MLB選手の年収トップ10」を開始して以来2番目に高い水準となる。
2026年の総額は、2025年の5億7600万ドル(約922億円)を7%下回ることになるが、この減少のほぼすべては、ニューヨーク・メッツの外野手フアン・ソトに起因している。ソトは2025年、1億2690万ドル(約203億円)というMLB記録を打ち立てたが、2026年は7500万ドル(約120億円)の契約ボーナスが計上から外れたことで、5190万ドル(約83億円)に減少し、「MLB選手の年収トップ10」2026年版でも4位に後退した。
広告主の注目は大谷に集中、1人の勝者がすべてを手にする市場を形成
フィールド外収入に限ると、2026年のトップ10の合計は1億4400万ドル(約230億円)に達し、2025年から20%増、4年前との比較では863%という驚異的な伸びとなった。この増加は、当然ながらほぼすべて大谷によるものであり、大谷の1億2500万ドル(約200億円)というフィールド外収入は、他の9人の合計1900万ドル(約30億円)の6倍以上に相当する。マーケティング業界の関係者は、大谷が野球熱の高い日本で注目をほぼ独占していると指摘する。彼のその地位は、チームメイトの山本由伸や佐々木朗希が台頭するなかでも揺らいでいない。
「広告主は、いかに注目を集めるかを競っている。この分野は勝者総取りだ。より多くの注目を集めた者が、すべてを手にする」と、東京を拠点とするSponsorForceのCEO、朱暁東は述べている。
異例の後払い契約を活用したドジャース、オールスター級の選手を次々と迎え入れ
大谷が2023年12月にドジャースと結んだ契約は、球団側にきわめて有利な後払い契約だったが、それを可能にしたのは彼の持つ圧倒的な広告価値だった。そしてこの契約によってドジャースは資金の余力を確保し、オールスター級の選手を次々と迎え入れてきた。その最新の注目選手がカイル・タッカーだ。
29歳の外野手タッカーは、「MLB選手の年収トップ10」2026年版に3位で初登場し、推定年収は5600万ドル(約89億6000万円)となったが、その大半は1月に結んだ4年総額2億4000万ドル(約384億円)の契約に伴う5400万ドル(約86億円)の契約ボーナスによるものだ。
巨額の資金力を有する3球団が、ランキング上位を独占する構図
「MLB選手の年収トップ10」2026年版のもう2人の新顔としては、オフシーズンにニューヨーク・ヤンキースと再契約したベリンジャー(2位、5650万ドル[約90億4000万円])と、フリーエージェントでトロント・ブルージェイズからニューヨーク・メッツへ移籍したボー・ビシェット(6位、4240万ドル[約67億6400万円])が挙げられる。実際、「MLB選手の年収トップ10」2026年版の上位6人はすべて、MLBで総年俸が最も高いドジャース、ヤンキース、メッツのいずれかに所属している。(ヤンキースからは、ゲリット・コール投手も3750万ドル[約60億円]で10位に入った)。
サラリーキャップ導入を巡る議論が激化、労使交渉が2027年シーズンの開催を脅かす
こうした富の集中は、他球団オーナーの反発を招いており、彼らは「競争の公平性の確保」を主張しつつ、また同時に自らの利益拡大も狙いながら、サラリーキャップの導入を求めるロビー活動を強めている。この議論は、12月にMLBの労使協定が期限を迎えるのを前に激しさを増しており、2027年シーズンに影響が及ぶ可能性もある。
「球団オーナー側がサラリーキャップに固執し、それ以外を受け入れないのであれば、最終的には導入されるだろう。ただし、その場合は少なくとも1シーズンが丸ごと中止になる可能性がある」と、ウィスコンシン大学ラクロス校の経済学教授で、野球研究協会のビジネス委員会の共同議長を務めるマイケル・ハウパートは指摘する。
最低年俸の引き上げやマイナーリーグの給与改善など、選手の過半数の支持を得るための提案
ハウパートは、オーナー側が選手の過半数の支持を得るために、現在は78万ドル(約1億2000万円)のメジャーリーグの最低年俸や、マイナーリーグの給与を大幅に引き上げる提案を行うと考えている。その原資は、トップ1%の選手の報酬から捻出される可能性が高い。ただし、このオフシーズンには、これとは対照的な動きもあった。デトロイト・タイガースのエース投手、タリク・スクーバルは、年俸調停で今季に3200万ドル(約51億円)を勝ち取った。これは、これまでの年俸調停の最高額である1990万ドル(約32億円)を大きく上回る額だ。


