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2026.03.26 12:00

世界各国の「石油危機」への対処 配給制や週4日勤務、エアコンの使用控え導入も

Amarjeet Kumar Singh/SOPA Images/LightRocket via Getty Images

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イラン紛争とホルムズ海峡のほぼ完全な封鎖により、各国はエネルギーと燃料の消費を大幅に抑制する措置を余儀なくされている。国際エネルギー機関(IEA)はこの事態を「世界の石油市場の歴史において最大の供給破壊」と表現した。

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米国・イスラエルとイランとの紛争が続く中、イラン政府は、世界の石油の約20%が通過するホルムズ海峡において、ほぼすべての船舶の運行を事実上停止させている。

これにより、紛争前には1バレルあたり約67ドルだった原油価格は現在100ドルを突破し、1日あたり約1500万バレルの供給不足が生じている。

中東からの石油供給に大きく依存するアジアやアフリカ諸国が最も深刻な影響を受けており、結果として各国はエネルギー使用の制限に踏み切った。

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米国の消費者も原油価格急騰の影響を受けている。全米のガソリン平均価格はこの1カ月で約35%上昇し、1ガロンあたり3.983ドルに達した。

インド

世界最多の人口を抱えるインドにおいて、液化石油ガス(LPG)は調理用燃料として家庭に欠かせない必需品だ。インドはLPGの60%を輸入に頼っており、その輸入量の90%がホルムズ海峡を通過する。この燃料危機を受け、インド政府は必需品法(Essential Commodities Act)を発動し、ホテルやケータリングサービスなどの事業者よりも、国内の一般家庭向けLPG供給を優先させる方針を固めた。

また、都市部の世帯に対し、LPG補充の予約間隔を最低25日間空けるよう義務付けた。同国では国営石油会社が補助金付きのLPGシリンダーを各家庭に戸別配送しているが、新規則により配送予約は25日間に1回に制限される。さらに、主要なIT企業を中心に、社内食堂やフードカウンターの営業を縮小し、従業員に「食事持参」を促す動きも広がっている。

中国

中国は3月初め、国内の燃料不足を避けるため、精製燃料の輸出禁止措置を講じた。ロイター通信によると、この禁止令は国家発展改革委員会によって課され、ガソリン、ディーゼル、航空燃料の全出荷が対象となっている。しかし、給油所では長い行列が発生し、燃料切れを懸念したパニック買いも報じられている。

それでも中国は、膨大な燃料備蓄と数十年にわたる再生可能エネルギーへの投資により、他のアジア諸国に比べればショックを吸収できている状況にある。

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翻訳=江津拓哉

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