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2026.03.30 07:30

企業のAIエージェント活用はわずか10%──2010年のクラウドと同じ「夜明け前」か

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BoxのCEOであるアーロン・レヴィは今月、Xに「大半の企業はコーディングエージェントですら大規模には使っていない。ましてや、それ以外のナレッジワークはなおさらだ」と投稿した。だがこの主張は、この分野に流れ込む資本の勢いと鮮烈な対比を成す。

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CB Insightsのデータによれば、2025年上半期に世界のVC資金の半分超をAIスタートアップが吸収し、上半期の合計は1160億ドル(約17兆4000億円)に達して、すでに2024年通年を上回っている。世の中の支配的な物語は、AIが急速かつ全面的に変革を進めているというものだ。しかし導入データが示すのは、より抑制の効いた現実である。

レヴィが引き合いに出した比較は、真剣に受け止める価値がある。2010年、テクノロジー業界全体は「クラウドは不可避だ」という確信に収斂していた。にもかかわらず、当時のAWSの売上高はわずか5億ドルだった。Azureは数カ月前に立ち上がったばかり。Google Cloudの前身であるGoogle App Engineは、まだ開発者向けの実験段階にあった。

2025年までに、これら3つのプラットフォームの売上は合計で年間約4000億ドルに達したが、Synergy Research Groupによれば、それでもなおクラウドインフラ市場の約60%を占めるにとどまる。業界がすでに「未来」だと信じていた基盤から見れば、約800倍の拡大だ。

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AIエージェントの現在地

現時点で最も詳細な読み取りは、マッキンゼーの「2025年AI動向グローバル調査」にある。同調査によれば、23%の組織が少なくとも1つの業務機能でエージェント型AIシステム(自律的にタスクを遂行するAI)を積極的にスケール(本格展開)しており、さらに39%が実験を始めている。より示唆的なのは次の数値だ。個々の業務機能に限って見ると、AIエージェントをスケールしていると答えた回答者は10%を超えない。しかも、スケールしている組織の多くは、1つか2つの機能でしか実施していない。

2025年5月に実施されたPwCによる米国の上級幹部308人への調査では、79%が「自社でAIエージェントが導入されている」と答えた一方、68%が「日々の業務でエージェントとやり取りする従業員は半数以下だ」と報告した。「導入が広がっているという数字は、しばしばエージェント機能への関心を反映しているにすぎず、業務運用が広範に変革された証拠ではない」とPwC自身の解釈している。

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