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2026.03.30 07:30

企業のAIエージェント活用はわずか10%──2010年のクラウドと同じ「夜明け前」か

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クラウド市場は、2010年のAWS売上5億ドルから、主要3社合計で2025年通年のクラウドインフラ売上見込み約4000億ドルへと成長し、なお前年比25%で拡大している。この市場は完成品ではなく、建設が続く構造物だ。AIエージェントは現段階では、2025年のAWSというより、2010年のAWSに近い。

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このアナロジーには但し書きがある。クラウドの2010年から2025年までの軌跡は15年を要し、世界規模のインフラ構築を伴った。エージェントのソフトウェア層は資本制約が小さい一方、ワークフローの再発明、労働力の再訓練、組織のリスク許容度という点で同等の摩擦に直面する。デロイトの2025年調査では、71%の企業が少なくとも1つの業務機能で生成AIを利用しているが、平均200のAIツールを運用する企業であっても、自社のAIアプリケーションの使い方を理解している従業員は28%にすぎない。

投資の示唆

投資家にとって、クラウドのアナロジーは二つの意味を持つ。AIエージェントの潜在市場は、現在の多くの予測より大きくなる可能性が高い。それは技術がより強力だからではなく、いずれ対価を支払うことになる企業の大半が、まだ始動していないからだ。GlobeNewswireの市場データによれば、エージェント型AI市場は2024年の52億5000万ドルから2034年に1990億ドルへと、年平均成長率(CAGR)43%超で成長すると予測されている。黎明期のプラットフォーム技術に関する市場予測は、歴史的に長期のスケールを過小評価してきた。

リスクはタイムラインの前提にある。レヴィのクラウドとの比較が示唆的なのは、まさに15年かかったからだ。今日、エージェント基盤の上で事業を構築する企業は、2010年相当の局面で戦っている。市場規模は実在し、軌道は方向性を持ち、しかし最終到達点までの距離は非常に大きい。

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エンタープライズのテクノロジー購買担当者と、その下層インフラに投資する投資家にとっての問いは、「エージェントがナレッジワークを変革するかどうか」ではない。確信と大規模展開の間にあるギャップをいかに乗り越えるかである。そのギャップは、現時点のあらゆる指標で見ても依然として大きい。さらにOECDの2026年VC投資レポートは、そのギャップが偏った集中によって資金供給されていると指摘する。大型案件(メガディール)がAI投資総額の73%を占めるようになり、この構造は既存の強者に報いる一方で、最終的に企業の導入ギャップを埋めなければならないアプリケーションレイヤーの企業に回る資本を減らしている。

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