3月19日、日本最大級のラクロス国際大会「KPMG SEKAI CROSSE 2026」(3月21日、富士通スタジアム川崎)の記者発表が行われた。
「KPMG SEKAI CROSSE 2026」は日本初のプロラクロスプレーヤーである山田幸代氏が代表を務め、全国の大学から集まった100名超の学生が主体となって企画・運営を行う国際大会。ラクロスは2028年のロサンゼルス五輪で120年ぶりに正式競技として復活することが決定しており、本大会では従来の10人制ではなく五輪仕様の6人制「Sixes(シクシーズ)」が導入された。また、世界最高峰のプロリーグ「PLL(Premier Lacrosse League)」の選手も来日し、日本トップクラスの選手と対戦した。

山田氏は「子どもたちに世界のトップ選手を見せることでラクロス選手になりたいと言ってもらえるようなスポーツにし、夢や選択肢を増やしたい。将来的にはこの大会をサッカーのトヨタカップのような、世界一のクラブチームを決める『クラブチャンピオンシップ』に成長させたい」と語った。メインスポンサーであるKPMGジャパン COOの岡田光氏も「若者世代の成長支援に大きな意義を感じている」と話した。
世界のスポーツビジネスから学ぶ「稼ぐIP」
記者発表同日には、「海外市場に学ぶ、スポーツビジネスにおける新しい事業のカタチ」をテーマとしたスポーツカンファレンスが行われた。カンファレンスでは、アメリカのスポーツビジネスを牽引する事例として、特定のホームタウンを持たずにリーグが一括してIP(知的財産)を管理する手法が紹介された。日本のスポーツが「週末のイベント」として単発の興行にとどまりがちであるのに対し、海外ではIPや無形資産を365日稼働させてマネタイズする「ストックビジネス」として捉え直していることの重要性が議論された。
現在、日本のラクロスの競技人口は2万人弱。多くが大学から競技を始め、就職を機に引退してしまう現状がある。その背景には「小学校や高校には環境があるものの、中学校の育成環境が抜け落ちていること」や、「大学卒業後にラクロスだけで生活できるプロの環境がないこと」があるという。家族ぐるみで地域のクラブに根付いて全年代がプレイできる海外の環境との差はまだ大きい。
山田氏はアメリカのPLLのビジネスモデルについて、「彼らは自分たちをスポーツリーグではなくマーケティング会社だと言うほど、IPをうまく使って発信している。アイデアを形にするスピード感や、1〜2年ではなく5〜7年という長期的なスパンでビジョンを持ち、KPIを達成していく見せ方は大いに参考にしたい」と語った。また、選手にリーグの株を配り、全員で組織を盛り上げる仕組みにも注目している。



