「考えすぎ」ほど現代の自己啓発文化によって過剰に批判されている特性はない。私たちは日々、状況を過度に分析するのをやめるべきだ、もっと直感を信じるべきだ、細かいことにこだわりすぎるべきではない、といった助言を受けている。だが心理学の研究によると、反すう思考は確かに行き過ぎれば有害だが、すべての内省的な思考が問題だというわけではない。実際には、側からは考えすぎに見える習慣の中には高い感情的知性(EQ)を示しているものもある。
感情的知性とは自身や他者の感情を的確に理解・調整し、対応する能力のことだ。感情的知性が高い人は通常、感情に関する情報に注意深く、対人関係をどのように解釈するかについても慎重だ。この注意深さは時に考えすぎのように見えることもあるが、意図的に建設的な方向に向けられている場合、それは実際には高度に洗練されている自分の中での処理を反映している。
心理学研究に基づき、知らず知らずのうちに高い感情的知性を示していることが多い「考えすぎ」の習慣を3つ紹介する。
習慣1:会話を思い返す
多くの人は、会話が終わった後にそのやり取りを頭の中で再生し、自分や相手の発言を再分析した経験があるだろう。感情的知性が高い人であればそのやり取りを振り返り、相手の口調を正しく解釈できていたか、あるいはもっと思慮深く対応できたのではないかと考えることもある。
これは一見すると不必要な過剰分析のように見えるかもしれない。結局のところ、全ては終わったことであり、蒸し返したところで何の意味があるのかと思うかもしれない。だが心理学研究によると、このような内省には非常に重要な役割がある。
専門誌『Personality and Individual Differences』に掲載された感情的知性に関する研究によると、感情認識力が高い人は感情評価を行う傾向がある。これは声のトーンや表情、状況といった感情的な手がかりを解釈する過程のことだ。
この種の内省的な処理は人間関係において極めて重要な2つの能力、つまり共感とパースペクティブ・テイキング(視点取得)を可能にするものだ。その結果、人は相手がやり取り中にどう感じていたのかをより深く理解できるようになる。また過去の会話を振り返ることで、自分の言葉が相手にどのような影響を与えたか、あるいは当初見逃していたサインがあったかを評価できる。



