マーケット

2026.03.25 07:30

「2つの速度」で進む石油危機、投資家が注目すべきは米エネルギー株と金

Shutterstock

影響は深刻だ。英調査会社のキャピタル・エコノミクスは、原油価格が125ドル以上に高騰すれば欧州は景気後退(リセッション)に陥る可能性があると予測している。市場は現在、ユーロ圏について年内に2回の利上げを織り込んでいる。ほんの数週間前には誰もが利下げを見込んでいただけに、これは劇的な転換だ。

advertisement

いま投資チャンスはどこにあるのか

現時点で、筆者の目を引くテーマが2つある。

1つ目は、米国のエネルギー生産企業が明らかに恩恵を受けているという点だ。このセクターの株価は20日に史上最高値をつけた。米投資ファンド、カーライルの最近のリポートによると、原油価格が130ドルになれば、米国のエネルギー生産企業は全体でおよそ4000億ドル(約63兆円)の追加収入を得る。米銀ゴールドマン・サックスはリスク・リターン比が良好な石油関連の上位5銘柄として、コノコフィリップス、シェブロン、セノバス・エナジー、サンコー・エナジー、カナディアン・ナチュラル・リソーシズを挙げている。

2つ目は、金(ゴールド)の値崩れはむしろ好機に見えるという点だ。金価格は19日に5%近く急落し、1トロイオンス4600ドルを下回った。債券利回りの上昇やドル高が引き続き短期的な逆風となっている。

advertisement

だが、長期的にはむしろ金買いを支持する根拠が強まっている。2000億ドル規模の軍事支出に加え、記録的な政府債務、スタグフレーションリスクの増大、そして何年も続くかもしれない世界的なエネルギー危機。これらはまさに、歴史的に金相場を支えてきた条件にほかならない。

重ねて言えば、この危機に際して米国は世界のほとんどの主要経済国よりも有利な立場にあるように思える。エネルギーの国内生産、戦略備蓄、輸入依存度の低下により、米国は紛れもない保護を確保している。規律を保ち、エネルギー株や金資産を保有し、現金に逃避する衝動に抗う投資家こそ、この局面が終わったときに最も良い立場にあるというのが筆者の考えだ。

forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事