欧米の主要指数の中で特にパフォーマンスが悪いのは11.1%下落したドイツ株価指数で、エネルギー依存度が高く、スタグフレーションに直面する国々への輸出に大きく依存しているという脆弱性を反映している。S&P500指数と日本の日経平均は、日米両国が金融市場の厚みと経済の多角化を備えていることから、軒並み大きく下げている市場の中で最も堅調さを保っている。
デフォルト確率の観点からは、全体像の把握にはあと数週間を要するだろう。債務不履行や延滞のデータは遅れて公表される。FRB、ニューヨーク連銀、ムーディーズ、S&Pはいずれも四半期ごとにデータを公表しており、イラン攻撃開始後に新たな週次デフォルトデータは出ていない。
インフレの高まりは、多くの消費者にとって最悪のタイミングで訪れている。たとえば米国ではすでに債務不履行の増加が消費者に影響を及ぼしている。金利が高止まりするか、さらに上昇すれば、消費者だけでなく企業までも債務の返済が困難になるだろう。
3. 戦略の変更を余儀なくされる
米シティバンク、英HSBC、英スタンダードチャータード銀行は、対イラン軍事作戦の直接的な影響を受けている。スタンダードチャータードはドバイからの撤退を余儀なくされた。シティバンクはドバイの支店を一時閉鎖すると発表し、HSBCはオマーンの支店を閉鎖した。インドのICICI銀行もバーレーンの支店を閉鎖すると発表した。紛争が長期化すればするほど、こうした措置は銀行の成長戦略や預金者らの資産・負債の多様化戦略に打撃を与えることになる。
残念ながら、イランとの紛争が長引けば長引くほど、世界中の消費者や企業にはより深刻な悪影響が及ぶ。これらが銀行とどれだけ複雑に絡み合っているかを考えれば、銀行の収益や安定性がリスクにさらされるのは避けられないだろう。


