銀行が現在直面している主なリスクは、サイバーセキュリティ攻撃の脅威の高まり、消費者や企業による債務不履行の可能性の増大、銀行が多角化・拡大戦略の変更を余儀なくされることだ。
1. サイバーセキュリティ
銀行規制当局や国際情報機関はかねて、サイバーセキュリティリスクが銀行にとって最大のリスクだと指摘してきた。イラン当局が銀行インフラへの攻撃を示唆していることから、サイバーセキュリティはこれまで以上に銀行が最優先で対応すべき課題となっている。実際、紛争が始まって以来、米国、湾岸諸国、イスラエルの銀行には悪意あるサイバー攻撃が相次いでいる。
主要金融センターを中心とする銀行規制当局や銀行幹部は、イランと連携するグループが銀行取引や決済システムに対して分散型サービス拒否(DDoS)攻撃を仕掛けることを強く懸念している。これらのグループはマルウェアを用いてデータを消去したり、ランサムウェアを使用したりする恐れもある。銀行規制当局や情報機関は銀行のリスク管理担当者に対し、警戒レベルを一段と高めるよう強く促している。
最近では米ニューヨーク州金融サービス局やカリフォルニア州金融保護・イノベーション局、複数の格付け機関から、重要な銀行インフラがハクティビストの標的となるサイバーセキュリティリスクについて銀行に警告があった。
2. 企業と消費者動向
銀行のリスク管理担当者は、企業への融資や与信枠に加え、企業株や債券への投資も監視する必要がある。株式市場の兆候を見ると、世界中の投資家が企業の業績に神経質になっていることがうかがえる。
イスラエルのテルアビブ35種指数は、防衛関連企業、エネルギー株、銀行株に牽引され、他の主要株式市場とは逆の動きを見せている。一方、最もパフォーマンスが悪化しているのはドバイ金融市場総合指数で、イラン攻撃開始前との比較で15%以上下落した。ドバイ不動産指数は、予期せぬ攻撃が始まる直前の2月27日に1万6910ディルハムの最高値を付けた後、わずか5営業日で20%下落し、今年に入ってからの上昇分をすべて失った。


