世界のスポーツチームオーナー長者番付 トップ25
以下に、「世界のスポーツチームオーナー長者番付 トップ25」の25人を掲載する(純資産は2026年3月1日時点のもの。
1位 ベルナール・アルノー
◯純資産:1710億ドル(約27兆円。家族の資産も合算)◯前年比4%減◯チーム:パリFC◯資産源:LVMH◯国籍:フランス
パリFCは、過去13シーズンで11回優勝した同じパリを本拠とするリーグ・アンの強豪パリ・サンジェルマンに比べ、これまで存在感の薄いクラブだった。しかしベルナール・アルノー(77)は、共同投資家のレッドブルの支援を受けながら、競争力のあるチームづくりを進めている。レッドブルは現在、元リバプール監督のユルゲン・クロップをグローバルサッカー部門の責任者として迎えている(今シーズンのパリFCは順位表で13位に位置し、降格圏からは十分に距離を保っている)。アルノーは、LVMHの会長兼CEOとして、自身の高級ブランド事業をスポーツ分野へと広げており、2024年にはフォーミュラ1との10年間にわたるスポンサー契約を発表した。この契約の取引額は、10億ドル(1580億円)超と報じられた。
2位 ロブ・ウォルトン
◯純資産:1460億ドル(約23.1兆円。家族の資産も合算)◯前年比33%増◯チーム:デンバー・ブロンコス◯資産源:ウォルマート◯国籍:米国
デンバー・ブロンコスを2022年に買収したロブ・ウォルトン(81)はその翌年、義理の息子グレッグ・ペナーを正式な筆頭オーナーに据えて、同チームの競争力を急速に高めている。ブロンコスは、昨シーズンにAFCで最高勝率を記録したものの、バッファロー・ビルズとの延長戦での激戦の末に勝利した試合の終盤で、クォーターバックのボー・ニックスが負傷し、プレーオフでの躍進は阻まれた。ウォルトンは、ブロンコス以外にもスポーツ資産を保有している。ウォルマート共同創業者サム・ウォルトンの息子である彼は2024年、アリゾナ・ダイヤモンドバックスの株式10%を約20億ドル(約3160億円)の評価額でひそかに取得したとスポーティコが報じている。
3位 スティーブ・バルマー
◯純資産:1260億ドル(約19.9兆円)◯前年比7%増◯チーム:ロサンゼルス・クリッパーズ◯資産源:マイクロソフト◯国籍:米国
スティーブ・バルマー(69)にとって、この1年のマイクロソフト株の動きは、最大の懸念ではなかった。バルマーが行ったフィンテック企業Aspirationへの5000万ドル(約79億円)の投資は、世界15位の富豪としてはわずかな額だったが、この投資をめぐっては不正疑惑が浮上した。ポッドキャスターのパブロ・トーレが最初に報じたところによると、経営難に陥った同社は、バルマーが所有するロサンゼルス・クリッパーズのスター選手カワイ・レナードと2800万ドル(約44億円)の契約を結んでいた。しかしレナードは、その対価に見合う活動をほとんど行っていなかったとみられ、バルマーや球団フロントがNBAのサラリーキャップを回避するため、このスタートアップを通じて資金を流したのではないかとの疑念が浮上している。リーグは調査を進めているが、クリッパーズは不正を否定している。
4位 ミリアム・アデルソン
◯純資産:375億ドル(約5.9兆円。家族の資産も合算)◯前年比17%増◯チーム:ダラス・マーベリックス◯資産源:カジノ◯国籍:米国
ダラス・マーベリックスのオーナーを務めるミリアム・アデルソン(80)は2025年2月、同チームの筆頭オーナーを務める義理の息子パトリック・デュモンとともに、スーパースター選手のルカ・ドンチッチを放出するという衝撃的なトレードでファンの反発を招いた。しかし、ラスベガス・サンズを築いた故シェルドン・アデルソンの未亡人である彼女は、NBAドラフトの抽選で幸運を引き当てたことで、チームを立て直すことになった。2025年のNBAドラフトで全体1位指名権を得る確率はわずか1.8%だったが、抽選の結果、ダラスに指名権が転がり込み、10代の有望株クーパー・フラッグを新たなフランチャイズの顔として迎え入れた。
5位 イダン・オフェル
◯純資産:346億ドル(約5.5兆円)◯前年比54%増◯チーム:FCファマリカン◯資産源:海運◯国籍:イスラエル
イスラエル人の海運王イダン・オフェル(70)の資産は近年急増しており、2020年に推定37億ドル(約5846億円)だった資産は現在、その約10倍に膨らんだ。彼が率いるイースタン・パシフィック・シッピングは現在、約250隻の船舶を保有している。オフェルは、持株会社Quantum Pacific Groupを通じて、ポルトガルのサッカークラブFCファマリカンの支配株式を保有しているほか、スペインのアトレティコ・マドリードにも出資している。ファマリカンは現在、プリメイラ・リーガで6位につけており、2019年の昇格以降で初めてトップ5入りを狙う位置にいる。
6位 ロバート・ペラ
◯純資産:317億ドル(約5兆円)◯前年比102%増◯チーム:メンフィス・グリズリーズ◯資産源:無線ネットワーク◯国籍:米国
メンフィス・グリズリーズのオーナーであるロバート・ペラ(48)の資産は、自身が93%を保有する上場企業Ubiquitiの株価の上昇を背景に、この1年で倍増した。無線機器メーカーであるUbiquitiの2025年の売上高は、前年比38%増の30億ドル(約4740億円)に拡大し、利益も8億8900万ドル(約1405億円)へと倍増した。一方で、調査系空売り会社のHunterbrook Mediaは1月、Ubiquitiの技術がロシアのウクライナ侵攻を支援していると指摘したが、ペラはこの疑惑についてコメントしていない。彼が所有するバスケットボールチームのグリズリーズは戦力の再編を進めており、デズモンド・ベインやジャレン・ジャクソンJr.といった主力選手を放出したことで、今季はプレーオフ進出を逃す可能性が高い。
7位 ヘンリー・サミュエリ
◯純資産:308億ドル(約4.9兆円)◯前年比56%増◯チーム:アナハイム・ダックス◯資産源:半導体◯国籍:米国
アナハイム・ダックスのオーナーであるヘンリー・サミュエリ(71)は、AIブームによる需要拡大の恩恵を受けている。サミュエリが会長を務める半導体大手ブロードコムの株価はここ1年で大きく上昇し、時価総額は現在1.6兆ドル(約252.8兆円)に上る。2005年に7000万ドル(約111億円)で取得したNHLのダックスが、彼の資産全体に占める割合は小さいものの、現在のチーム価値は14億ドル(約2212億円)とされ、投資としては大きなリターンをもたらしている。サミュエリの持株会社は2025年、チームの本拠地ホンダセンターの大規模改修に向けて10億ドル(約1580億円)を投じる計画を発表した。
8位 フランソワ・ピノー
◯純資産:295億ドル(約4.7兆円。家族の資産も合算)◯前年比36%増◯チーム:スタッド・レンヌFC◯資産源:高級ブランド◯国籍:フランス
スタッド・レンヌFCのオーナーであるフランソワ・ピノー(89)は、ラグジュアリー大手ケリングの創業者で名誉会長を務めている。グッチやイヴ・サンローランなどのブランドを傘下に持つ同社の株価はこの1年で持ち直し、ピノーの資産も回復基調にある。チームの成績も改善しており、前シーズンを12位で終えたレンヌは現在、リーグ・アンで5位につけている。
9位 ダニエル・ギルバート
◯純資産:279億ドル(約4.4兆円)◯前年比±0%◯チーム:クリーブランド・キャバリアーズ◯資産源:ロケット・モーゲージ◯国籍:米国
クリーブランド・キャバリアーズのオーナーであるダニエル・ギルバート(64)の純資産は、1985年に自身が創業した住宅ローン大手ロケット・カンパニーズを上場させた2020年に一時500億ドル(約7.9兆円)を超えたが、その後はその水準に届いていない。それでもギルバートはNBAで4番目に裕福なオーナーであり、キャバリアーズも再び優勝争いに加わっている。昨シーズンにイースタン・カンファレンスで首位を獲得した同チームは、プレーオフでインディアナ・ペイサーズに敗れたものの、その雪辱を果たそうとしている。
10位 デビッド・テッパー
◯純資産:237億ドル(約3.7兆円)◯前年比11%増◯チーム:カロライナ・パンサーズ、シャーロットFC◯資産源:ヘッジファンド◯国籍:米国
2018年にデビッド・テッパー(68)が買収したカロライナ・パンサーズは、昨シーズンにそれ以来初めてプレーオフに進出した。同チームは、8勝9敗と負け越しながらも低調なNFC南地区を制してポストシーズンに進出したが、ワイルドカードラウンドでは優勝候補と目されていたロサンゼルス・ラムズに終了間際のタッチダウンで敗れた。テッパーの下ではこれまで複数のヘッドコーチが交代してきたが、デイブ・カナレスが勢いを維持し来季も指揮を執れば、テッパー体制下で最長在任のヘッドコーチとなる可能性がある。テッパーは、ヘッジファンドのアパルーサ・マネジメントを創業した。
11位 スティーブ・コーエン
◯純資産:230億ドル(約3.6兆円)◯前年比8%増◯チーム:ニューヨーク・メッツ◯資産源:ヘッジファンド◯国籍:米国
ニューヨーク・メッツを所有するスティーブ・コーエン(69)は、「世界のスポーツチームオーナー長者番付 トップ25」2026年版で唯一のMLB球団オーナーだ。昨シーズンにリーグ2位の年俸総額を投じたメッツは、15年総額7億6500万ドル(約1209億円)で加入したフアン・ソトが好成績を残したものの、83勝79敗に終わり、プレーオフ進出を逃した。チームは、オフシーズンには主砲ピート・アロンソをフリーエージェントで放出する一方、ボー・ビシェットを3年総額1億2600万ドル(約199億円)で獲得するなどの戦力の再編を進めたが、コーエンは球団外でもより大きな動きを見せている。Point72 Asset Managementの創業者である彼は、12月にニューヨーク州のカジノライセンスの取得を完了し、メッツの本拠地シティ・フィールドの隣に80億ドル(約1.3兆円)規模のカジノ複合施設を建設する計画を進めている。
12位 スタンリー・クロエンケ
◯純資産:222億ドル(約3.5兆円)◯前年比23%増◯チーム:ロサンゼルス・ラムズ、デンバー・ナゲッツ、コロラド・アバランチ、コロラド・ラピッズ、アーセナルFC、アーセナル・ウィメンFC◯資産源:スポーツ、不動産◯国籍:米国
複数のスポーツチームを所有するスタンリー・クロエンケ(78)は、この5年間でNBA、NFL、NHLのすべてで優勝を勝ち取った。約6000万平方フィートの不動産と160万エーカーの牧場を保有するクロエンケは、2月に自身が所有するアーセナル・ウィメンFCがFIFA女子チャンピオンズカップで優勝したことで最新のトロフィーを手に入れた。2026年は、アーセナルにとって特別な年になる可能性がある。同クラブの男子チームであるアーセナルFCは、過去3シーズン連続で2位に終わった後、現在はプレミアリーグで首位に立っており、2004年以来となる優勝を狙っている。


