いま起きていることの意味
OpenAIの新たなタレント競争は、AIやテックのスタートアップ企業や企業のスケールアップだけでなく、トップ人材がいかに発掘されるかという点でも、転換点となる出来事だ。
そこには批判も出るだろう。しかし同時に、ATS(応募者追跡システム)やAIの粗悪な応募書類の海と戦わずとも、最良のプロフェッショナルが可視化され、面接や採用へ進む道を得られるという側面もある。
未来の採用が「履歴書ファースト」ではなくなる理由
履歴書が語れるのは、あなたが何をしてきたかだけである。そして最近のForbesの記事で触れたように、採用担当者はAIが生成した履歴書に対して締め付けを強め、次の理由から否定的に見ている。
・AIの不整合や誇張された職務記述により、実際のスキルを検証しにくいと感じる
・応募書類は洗練されているが中身が薄い
・応募数が多すぎて対応しきれない
OpenAIがいま実施しているように、従来の応募書類ではなく実社会のスキルテストを用いることは、テック領域に限らず今後の最善策になり得る。採用プロセスは競争的でありながら、公平性も担保しやすい。
チャレンジで採用する雇用主は他にもいる
ただし明確にしておきたいのは、OpenAIだけがこの手法を採っているわけではないということだ。
テックの世界では技術チャレンジ自体は新しいものではない。HackerRankやKaggle、各種ハッカソン、複雑な持ち帰り課題が存在するのはそのためだ。ただし一般には、履歴書と応募書類を提出した後にのみ求められるケースが多い。
いまOpenAIが際立っているのは、履歴書を先に出させるのではなく、まずチャレンジを前面に置いている点だ。
人材発掘にテストやチャレンジを用いる興味深い例として、Crossoverも挙げられる。
Crossoverはリモート求人専用の求職プラットフォームで、世界のトップ1%の人材だけを抽出することを目指している。そのために応募者へ「基本適合チェック」の完了を求める。これはAIチャットによる面接のようなもので、職務に合致するための基本要件を満たしているかを確認する(この段階での履歴書アップロードは、AIが質問を組み立てるための土台としてのみ使われる)。


