女性の起業率は過去最高水準へ
コロナ禍をきっかけに急増した起業の動きは、その後も勢いを保ったまま続いている。2019年には、新たに設立された企業のうち、女性が創業した割合は約30%だったが、2024年までにその比率は約50%へと急上昇し、起業家の男女構成に大きな変化が生じている。
ウェルズ・ファーゴの報告書によると、米国の企業のうち女性がオーナーを務める企業は全体の40.6%を占める。これらの企業は、約1260万人を雇用し、2.8兆ドル(約446兆円)の収益を生み出している。さらに2022年から2025年にかけて、女性オーナー企業の数は12.1%増加し、男性オーナー企業の成長率である6.3%を大きく上回った。
リンクトインのシニア・スタッフエコノミストであるマシュー・ベアードは次のように語る。
「当社のデータによると、起業家に占める女性の割合はこの10年で着実に増加している。世界全体で見ると、その比率は2015年の23.9%から、2025年には29.2%へと上昇した」。
また、女性起業家の増加ペースは、従来の企業組織においてリーダーシップを担う女性の増加ペースを上回っている。
「過去10年間で、起業家に占める女性の割合は3.7ポイント増加した。これに対し、企業でリーダーシップを担う女性の割合は2.0ポイント、全体の雇用者に占める女性の割合は1ポイント未満の増加にとどまっている。こうした数字は、女性が企業のトップ層に就く上で、起業がよりスピーディーな道の一つになっていることを示している」とベアードは付け加えた。
女性が起業する際に最もよく挙げられる動機は、次の通りである。
・約4分の3は自分の裁量で働きたいと考えている
・62%は自分のスケジュールに合わせて働きたいと考えている
・半数以上は資産を築くことを目標にしている
・およそ3分の1は収入を増やすことを期待している
専門家によれば、女性が起業に惹かれる理由は、事業を自分で所有しつつ、長期的に資産を築ける点に重点が置かれるようになってきているという。
「中堅からシニア層の女性の多くは、起業には企業勤めでは得られないもの、つまり株式を通じた資産形成の機会があることに気づき始めている」と、中小企業の専門家で作家でもある、SmallBizLady Enterprisesの創業者、メリンダ・エマーソンは語る。
この傾向は、特に若年層の女性や有色人種の女性の間で顕著だ。とりわけ、アフリカ系およびアジア系米国人の女性は新規ビジネスの創出において大きな存在感を示しており、同グループの男性と比較しても起業に踏み切る割合が高い。


