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2026.03.22 11:00

石油と金、教科書的な有事相場とは違う環境で生き残る「観察して勝つ」投資法

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私が注視しているものの1つがビットコインだ。私の中にはシンプルなフレームワークがある。それは「金は有事のため、ビットコインは避難のため」というものだ。人々が特定の種類の不安を感じたとき、ビットコインは真っ先に動く傾向がある。人々が逃避を考え始めるとき、ビットコインは急騰する。

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最近、まさにその動きが見られた。原油が本格的に反応する前に、ビットコインが動いたのだ。これは私の注意を引いた。影響を受けることが明確な資産が反応を示す前に、他の市場が不快感を感じ始めていることが見えたからだ。

そこで私は原油のポジションを取り、利益を確定してすぐに抜けた。持ち続けていればもっと稼げたかもしれないが、それは重要なことではない。重要なのは、シグナルが存在し、それが機能したということだ。

私の思考は、そこへシフトした。

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「どんなストーリーか」よりも、「どこからシグナルが出ているか」を重視するようになったのだ。

しかし、より大きな変化は、特にボラティリティの激しい日における株式の見方だ。

多くの人は、暴落を見ると損失を連想する。赤く光る画面、パニック、混乱。かつての私もそうだった。だが今の私は、暴落の中に別のものを見ている。

私にはそこに市場参加者のポジションが見える。

現代の市場はロング・ショート戦略のファンドに支配されている。彼らは市場の方向性を予測しようとしているのではなく、銘柄間の格差を利用しようとしている。強いと思う銘柄を買い(ロング)、弱いと思う銘柄を売る(ショート)のだ。

理論上、それはヘッジすることを意味する。だが実際には、市場は隠れたペアトレードで溢れかえっている。

平時には、この構造ははっきりとは見えない。すべてが連動して動き、そうした構造は埋もれてしまうからだ。

しかし、暴落の日にはそれが明白になる。

誰もが買い持ちする銘柄は、予想以上に激しく売られる傾向がある。一方で、大量に売り持ちされていた銘柄は上昇する。その銘柄が上昇するのは、それが良い銘柄だからではなく、単に売り持ちしていたポジションが買い戻されるからだ。地合いが最悪な日にボロ株が上昇するのは一見すると驚きかもしれないが、その理由を知っていれば不思議なことではない。

それは、潮が引くようなものだ。かつて隠されていたものが、突然すべて見えてくる。

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翻訳=江津拓哉

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