ヘルスケア

2026.03.20 13:30

イーライリリーの実験段階の糖尿病治療薬、「患者の体重を15%減らし血糖値も低下させた」と同社発表

Michael Vi / Shutterstock.com

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イーライリリーが開発中の実験的糖尿病治療薬レタトルチド(Retatrutide)が、一部の治験参加者の体重を15%以上減少させたことが、同社が米国時間3月19日に発表した新たな研究結果で明らかになった。

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レタトルチドの最高用量を投与された患者は、40週間後体重が15.3%減少した。参加者1人あたりの平均減少量は33.3ポンド(約15.1キロ)だった。

この薬は血糖値の低下にも寄与し、最高用量を投与された患者では40週間でA1C値が1.9%低下した。また、患者の体重減少は40週間の試験期間を過ぎても停滞せず、減少が続いたとイーライリリーがは述べている。

これに対し、プラセボを投与された患者の体重減少は2.6%にとどまり、減少量は約6ポンド(約2.72キロ)だった。A1C値の低下も0.8%にとどまった。

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この試験は2型糖尿病の成人患者を対象に実施され、この薬は食事療法と運動療法と併用して投与された。

レタトルチドはどのように作用するのか

レタトルチドは3つのホルモン受容体に作用する薬で、腸内で食欲に関係する3種類の異なるホルモンを模倣する。1つ目はグルカゴン様ペプチド1、いわゆるGLP-1で、ノボノルディスクのオゼンピックなど、他の人気の高い減量薬もこのホルモンを標的としている。2つ目はグルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド、すなわちGIPである。イーライリリーがの別の減量薬マンジャロは、GLP-1とGIPの両方を標的としている。3つ目のホルモンはグルカゴンで、ほかの減量治療薬はこれを標的としていない。

イーライリリーによると、レタトルチドを服用した患者では、糖尿病治療に加えて心血管の健康にも「意味のある改善」が見られた。コレステロール、中性脂肪、収縮期血圧に影響があったという。

今後の注目点

有望な試験データにもかかわらず、市場開始後のイーライリリーが株はおおむね横ばいだった。同社はこの薬を糖尿病または肥満の治療薬として販売するための承認申請を、まだ米食品医薬品局(FDA)に提出していない。イーライリリーがは、レタトルチドの臨床試験について、さらに多くの結果が今年後半に公表されると見込んでいる。米国時間3月19日に公表されたこの試験のより詳細な結果は、医学誌に掲載され、6月の糖尿病学会でも発表される予定だ。

イーライリリーがの競合であるノボノルディスクが2月に出した次世代減量薬の試験結果が期待外れに見えたため、ノボノルディスクの株価は15%下落した。ノボノルディスクはGLP-1受容体作動薬のオゼンピックとウゴービをいち早く投入したが、同社の新薬カグリセマは、イーライリリーがのマンジャロとゼップバウンドに比べて顕著な体重減少を示せなかった。

forbes.com 原文

翻訳=酒匂寛

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