CBN規制に対する姿勢の違い
厚労省としての姿勢は、精神作用を有する成分が出回り、公衆衛生を害する可能性があるのであれば、それは規制せざるを得ないというものでしょうし、本当に命に関わる患者さんについては、今回のスキームで継続的に使い続けることができます。私としては、これは致し方ないという判断をしているわけですが、業界の大勢はそうは思っていないようです。
CBNは、確かに世に出回ってから規制まで、恐らく最大級に時間を要した成分です。しかしそれほどに「グレー」な成分であったことも事実でしょう。確かに1000mgも摂取すれば精神作用が出てきますし、では10mgで販売していたとしても、100個その食べ物を食べないとは言い切れません。まずは安全性試験をして、どこから日本人で精神作用が現れるのか、健康被害が出るのかを検査すべきでした。これは昨年6月に執筆した記事でも、すぐに安全性試験をすべきだと私は提言しています。
そのうえで、どれだけ食べてもこれ以上は食べられないだろうと通常考えられる量に安全マージンをかけて、「これくらいであれば大丈夫であろう」という量を設定し、全事業者内で自主規制を張るべきでした。また、それに従わない事業者には勧告を出したり、販売するプラットフォーマー(ECやECを作成できるソフトを提供する会社)などと連携をとって、表向き販売ができないような仕組みを構築すべきでした。少なくとも、規制をここまでの形で招かないための方法はあったと私は思っています。正直、残念です。弊社ではCBNは早晩規制されると見込んで販売していなかったことが、結果的には当たってしまった形です。
おわりに
CBNの規制を受けて、SNSを中心に「国のせいだ」「厚労省が悪い」という声も見られました。しかし私は、その見方には与しません。どう考えても、精神作用を有する可能性のある成分について、自主規制もなく、高容量製品を野放図に売ってきた業界側の責任は重いと考えます。それはほかでもなく、ビジネスとして売れてしまったからです。
規制になった途端に、「CBNは安全なんだ」「CBNで救われている患者さんもいる」と弱者救済の一手を出してくる声もありました。しかし、本質はそこではないと考えます。実際、患者さんについては救済のルートが残されているからです。私からは残念ながら自分たちが、医療「的」にカンナビノイドを売れる成分として売りたい。そのような思惑が透けて見えてきてしまう場面もありました。議連にも参加してみましたが、残念ながらそのような声が多く、いったいこの議連はどうなってしまうのかと心配しました。
いずれにしても、CBNの規制については、それを扱ってきた事業者の甘さが露呈したと言わざるをえません。これを厚労省のせいにしている時点で、同じ失敗を繰り返してしまうのではないかと危惧しています。健全な市場形成を望みます。


