宇宙

2026.03.18 16:00

西の夕空に光る一番星、「宵の明星」のシーズンが始まった 細い月との共演も

細い月と金星(Matt Champlin/Getty Images)

細い月と金星(Matt Champlin/Getty Images)

日が沈んで間もない西の空に今、ぽつんと光る星がある。それが何か、ご存じの人も多いのではないだろうか。

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2026年に入ってから、すでに金環日食の「炎の環」や皆既月食の「ブラッドムーン」、惑星のパレードなど、すばらしい天体ショーが相次いでいる。4月には彗星がやってきて、日中でも観測可能なほど明るくなるかもしれない。しかし、今年最も長く私たちの目を楽しませてくれる天体はといえば、これから秋まで宵の空でひときわ輝くおなじみの惑星だ。

最近見かけるようになったこの明るい一つ星は、金星である。太陽と月に次いで地球から最も明るく見える天体で、2月半ばごろから日没後の夕空に姿を現し始めた。今後は夏に向けて高度を上げ、いっそう明るい輝きを放つ。

地球に最も近い惑星

金星は、地球に最も接近する惑星だ。今年1月初旬に太陽の向こう側に隠れて見えなくなる(外合)まで、夜明け前の東の低空にあった。今は西の空で毎夕少しずつ位置を高くしながら光っている。3月中旬以降は黄昏時の明るさが残る空でも見つけやすくなるだろう。

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米航空宇宙局(NASA)の惑星探査機マリナー10号が撮影した、分厚い雲に覆われた金星(NASA/JPL-Caltech)
米航空宇宙局(NASA)の惑星探査機マリナー10号が撮影した、分厚い雲に覆われた金星(NASA/JPL-Caltech)

金星が明るく見えるのは主に、地球との距離が近く(平均1億5000万km、最接近時は4200万km)、常に分厚い雲に覆われていて太陽光の反射率が高いためだ。太陽系で6番目に大きく、最も高温な惑星で、表面温度は摂氏480度にも達する。なお、地球の平均表面温度は摂氏15度である。また、世界時計アプリtimeanddate.comによると、大気圧は地球と比べて約90倍高い。

「宵の明星」と繊月が共演

金星が「宵の明星」として夕空に君臨する日々が今月、本格的に始まった。夜を迎えるたびに一番星として輝きを増し、宵の空に見える時間も長くなっていく。今週は、糸のように細く儚い月が金星のすぐそばを通過する。日の入り約30分後に、西の空を眺めてみてほしい。

3月20日(金):春分の日、宵の明星と月齢1の「二日月」が並ぶ
3月21日(土):宵の明星の上方に、優美な三日月がかかる
3月22日(日):宵の明星から月齢3の月を見上げ、さらに天頂近くに光る木星を見つけよう

月が金星に接近(国立天文台)
月が金星に接近(国立天文台)

金星は8月15日に地球からの見かけの位置が太陽から最も離れる「東方最大離角」となり、最大の見ごろを迎える。日没後の太陽との角度は約47度で、高度も金星としては高く、マイナス4.3等級の明るさで輝く。

なお、高度が最も高くなるのは6月中旬、最も明るく輝く「最大光度」を迎えるのは9月19日である。

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翻訳・編集=荻原藤緒

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