気候・環境

2026.03.18 11:31

軟質プラスチック包装の代替に紙素材は有効か?新報告書が示す可能性

AdobeStock

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新たな分析によれば、紙ベースの素材は、増大する軟質プラスチック包装による汚染問題への対処に役立つ可能性がある。

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エレン・マッカーサー財団の報告書は、紙ベース製品が軟質プラスチック包装の代替になり得ると主張する。軟質プラスチック包装は、一部の国で主要な汚染源となっているという。

同研究は、サシェ(小袋)や食品包装などを含む軟質プラスチック廃棄物が「世界的な問題」になっていると指摘する。いくつかの国では回収自体は相当程度行われているものの、通常は焼却、埋め立て、あるいは他国に輸出され、別の国が対応を迫られる末路をたどるという。

一方で報告書は、回収率が低く廃棄物管理が不十分な国では、環境への流出率が高くなる可能性があると付け加えている。

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そこで、企業、投資家、学術関係者47者が支持するこの報告書は、紙ベースの軟質包装代替品を開発し、拡大するための「共通のビジョン」を呼びかけている。

研究がいう「紙ベースの軟質包装」とは、木材由来か非木材繊維由来かを問わず、セルロース系の基材を主材料とする軟質包装を指し、コーティング、ラミネート、インクなどの機能が組み合わされることも多い。

また、慎重な設計と調達が伴わなければ、紙包装への移行は便益がほとんど、あるいは全く得られない可能性があるとも警告する。

報告書は、プラスチック汚染を森林破壊に置き換えるといった形で、ある問題を別の問題にすり替えないために重要な6つの基準を定義している。

そこには、森林の劣化に加担しないための責任ある原材料調達、社会包摂的な循環経済戦略というより大きな枠組みへの適合、有害化学物質の使用回避などが含まれる。

エレン・マッカーサー財団のプラスチック・包装チームでプログラムマネージャーを務めるローラ・スミスは取材に対し、現在海洋へ漏出しているプラスチック包装全体の約80%を軟質包装が占めていると述べた。

スミスはさらに、プラスチックの軟質包装はリサイクルが難しく、インフォーマルな廃棄物回収に依存する国々では大きな問題になっていると付け加えた。

「プラスチック製軟質包装は価値が低いため、廃棄物回収者がそれを集めるビジネス上の理由がないのです」と彼女は語った。

スミスは、報告書が紙の代替案に焦点を当てる理由について、既存の紙リサイクルの流れで処理でき、適切に設計されていれば環境中へ漏出した場合のダメージも小さくなり得るからだと述べた。

「この報告書が、私たちが使用する包装材をいかに最善のものにできるかについての議論の出発点となることを望んでいます」と彼女は付け加えた。

「それを実現するには、多くの行動、イノベーション、投資が必要です。

また、この報告書が言葉だけにとどまらないことも重要です。ステークホルダーの足並みがそろい、支持があることの表れであり、企業が現実にこれを実現することへ本気でコミットしていることを示しています」

ユニリーバで包装・デジタル・変革のグローバル責任者を務めるパブロ・コスタは声明で、次世代の紙ベース軟質包装は同社にとって重要な重点分野であり、業界全体の優先事項でもあると述べた。

コスタはさらに、この新報告書は、紙が果たす重要な役割と、消費者にとって望ましく、より良い解決策を普及させるために必要なことを明確にしていると付け加えた。

また、インド工科大学デリー校のガウラヴ・ゴエル教授は、紙の軟質包装の可能性を拡張可能な現実へと転換するための「課題と重要条件に関する初期の土台」をこの報告書が提示していると語った。

同教授はさらに、製品と地球を守る包装ソリューションを設計するためには、適切な材料選択と大胆な材料イノベーションを、緊密な協働とデータに基づく評価と組み合わせる必要性が強く強調されていると付け加えた。

(Forbes.com 原文)

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