経済

2026.03.18 07:30

石油枯渇の危険性が最も高い国々──日本は大規模な戦略備蓄により200日程度しのげる

Wayne Eastep / Getty Images

米国は供給ショックからある程度隔離されているが、他国はその安心感がない

世界最大の石油・天然ガス生産国である米国は、供給ショックからある程度遮断されている。ガソリンやディーゼルの価格は急騰するかもしれないが、完全な不足に陥る可能性は小さい。

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ミャンマー、ベトナム、フィリピン

他国には、その安心感がない。ソシエテ・ジェネラルの商品チームによれば、ミャンマー、ベトナム、フィリピンは、ホルムズを通過する貨物から石油の80%以上を調達しており、在庫は約1カ月分しかない。つまり枯渇するか、代替供給を見つける必要に迫られる。

シンガポール、タイ

シンガポールの状況も深刻だ。同国は通常、ホルムズ経由の原油を日量68万バレル受け取っているが、在庫の「カバー」はわずか40日分にすぎない。タイはややましとはいえ、ホルムズ由来の日量40万バレルに対してカバーは50日分しかない。

台湾、バングラデシュ

日量52万5000バレルを輸入する台湾は、約100日持ちこたえられる。バングラデシュも約100日分の備蓄があり、すでに燃料配給を導入し、肥料工場を停止した。同国は原油の輸入量は多くないものの、そのすべてが通常はホルムズを通過する。

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国が大きいほど選択肢は増える傾向──韓国、インドネシア、インド、日本

国が大きいほど選択肢は増える傾向にある。韓国は日量約300万バレルを輸入し、そのうち200万バレルがホルムズ経由だ。在庫は輸入が全面停止しても50日分を賄える。あるいはホルムズ経由分の穴埋めだけなら約70日分だ。これは、戦略石油備蓄1億7500万バレルを持ち、総需要日量500万バレルのうち45%がホルムズ経由であるインドとほぼ同水準である。インドネシアは、ホルムズ閉鎖に160日耐えられるだけの資源がある。大規模な戦略備蓄を持つ日本は、ホルムズ経由の輸送がなくても200日程度はしのげる。

中国は13億バレルの戦略石油備蓄により、輸送が途絶えても300日間耐えられる

意外かもしれないが、中国はホルムズからの石油輸送が途絶えても300日耐えられ、輸入が全面停止しても100日超は持ちこたえられる。背景には、13億バレルの戦略石油備蓄がある。これは、中国の総石油輸入が日量1100万バレル超で、その45%が海峡を通過しているにもかかわらず、である。「中国は中東依存を意図的に50%近辺で抑え、多様な調達、パイプラインガス、国内生産、大規模在庫を通じて大きなショック吸収材を築いてきた」と、ジェフリーズのアナリスト、ロイド・バーンは述べる。

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