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2026.03.17 08:41

世代別の音楽嗜好という難題、ポッドキャストはこう解決した

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まずは小話から始めたい。筆者は南ニュージャージーのワシントン・タウンシップにあるスポーツバーで、毎週木曜の夜にトリビアをするチームの一員だ。ほかに2組の夫婦がいて、筆者とパートナーのリンダと同じくベビーブーマー世代である。チームはたいていのテーマに対応できるが、音楽だけは別だ。音楽に関する問題は、X世代、ミレニアル世代、Z世代など、さまざまな世代の助けを借りなければならない。

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なぜ音楽はこれほど世代ごとに固有なのか。そしてその事実は、ポッドキャストとどう関係するのか。続きを読んでほしい。すべて明らかになる。

世代ごとの音楽嗜好を研究することは社会学と心理学の分野であり、音楽心理学、音楽社会学、文化研究に分類されることが多い。人格形成期、社会環境、テクノロジーがいかに嗜好を形づくるかを検討する分野だ。主要な論点には、世代間の連続性(親の影響)と世代アイデンティティがある。

音楽に対する世代の嗜好を調べた研究は数多い。マット・ベイリーとガイ・ザポレオンによる「Generational Music Theorem」は、大人にとって最も重要な音楽は、しばしば23.5歳前後に聴いていた音楽であることを示し、ノスタルジアの影響を裏づけている。ステファンズ=ダビドウィッツによるSpotifyデータ分析は、13〜14歳(女子は13歳、男子は14歳)に消費した音楽が、大人になってからの嗜好を最も強く予測する要因だと見いだした。

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10代の頃に好きだった音楽は、生涯ずっと好みであり続ける

この膨大なデータは、音楽ポッドキャストと何の関係があるのか。音楽の嗜好はあまりに細分化されているため、生き残りたいポッドキャストは、特定の時代とジャンルに訴求するか、あるいは各回で特定のアーティストやジャンルに焦点を当てざるを得ない、ということだ。

例えばVultureの『Switched On Pop』がある。音楽学者ネイト・スローンとソングライターのチャーリー・ハーディングがホストを務め、ポップ、ヒップホップ、ロックを取り上げ、なぜ特定の曲が人を惹きつけるのかを理解できるように導く。

同番組はポップ音楽をより広い文化潮流と結びつけ、曲が同時代の文化をどう映し出すかを論じる。エピソードでは、デュア・リパのディスコ要素やテイラー・スウィフトのメロディックなモチーフを分析するなど、人気曲の背後にあるソングライティングやプロダクションの選択を調査している。

Gamut Podcast NetworkとWDRV-Chicagoで配信される『Behind The Song』は、ジャンダ・レーンがホストを務め、クラシックロックの曲とその作り手の歴史や物語を掘り下げる。短くも情報量の濃い週1回のエピソードで、楽曲の着想や執筆過程、そしてしばしば隠された意味にまで踏み込む。ここでもポッドキャストは特定の音楽的時間軸、つまりクラシックロックに焦点を当てている。

『The Secret Life of Songs』は、コード進行や作曲の技術分析に、哲学的・歴史的文脈を織り交ぜることで音楽ファンを惹きつけている。制作者/ホストのアンソニー・T・ジャクソンは受賞歴(British Podcast Awardsのブロンズ)を持ち、50年代〜80年代のクラシック・ポップの名曲の背後にあるソングライティング、音楽史、社会史へと深く潜る。シーズン1ではサム・クック、ビーチ・ボーイズ、ダスティ・スプリングフィールドなどの曲を含む50年代と60年代に焦点を当てた。シーズン2では70年代と80年代に焦点を移し、ドナ・サマー(「I Feel Love」)、ABBA、ケイト・ブッシュ、ドリー・パートンといったアーティストを取り上げた。

一気に注目を集めた音楽ポッドキャスト

『Song Exploder』は2014年1月、ミュージシャンでプロデューサーのフリシケシュ・ハーウェイが創設し、音楽の創作プロセスを探るための「曲ごとの」デザイン分析として機能してきた。ライターズブロックを経験したハーウェイ自身の体験と、音楽における構造的な意思決定を理解したいという思いから生まれ、アーティストが自作曲を個別の分離トラックへと分解して解説する。

『Song Exploder』は、最も人気があり、批評的評価が高く、影響力の大きい音楽ポッドキャストの1つとして広く認識されており、同ジャンルのトップ、あるいは最高峰の番組としてしばしば挙げられる。7000万回以上のダウンロード数と2シーズンにわたるNetflixでの映像化により、アーティスト主導の詳細な楽曲分析という評価を確立した。「すべての曲の背後には物語がある」という番組のコンセプトが人気に拍車をかけているが、このポッドキャストはいくつかの例外を除けば現代音楽が中心である。

歴史の授業としての音楽

最も興味深く、独自性の高い音楽ポッドキャストの1つは、NYCを拠点に長年独立系ポッドキャスターとして活動するスージー・チェイスから生まれた。彼女自身に語ってもらおう。「私は2005年の初めに『The Groove Radio Podcast』を始めた。音楽を好きになったきっかけのソウル、R&B、ディスコ、ヨットロックが聴けなかったからだ。これは最初のミックステープ・ポッドキャストになり、当初、女性のポッドキャスターは本当に、本当に少なかった」

このポッドキャストの20周年にあたり、スージー・チェイスは『TGR Unplugged』をリリースした。これは9曲/9つの物語からなる限定シリーズで、アルゴリズム以前、聴取が「感じる」ものではなく最適化の対象になる以前に、音楽がいかにして私たちを見つけてくれたのかを振り返る。

『TGR Unplugged』の各エピソードは、記憶と音楽批評を織り交ぜ、1曲が、誰もが理解できる「時間」「場所」「感情」をどう切り取るのかを映し出す。

このプロジェクトについてチェイスは、「すべてが始まった場所に戻ること——なぜ最初に音楽を愛したのかを思い出すこと」だと語っている。

例として第6話を取り上げよう。番組「SKIP?REPEAT」で、スージーは、何度も何度も飛ばしていた曲を、あるときから飛ばさなくなった経験があるかとリスナーに問いかける。彼女の最初のアルバムから、パワーバラードで知られるホイットニー・ヒューストンの『Thinking About You』を取り上げるが、ヒューストンにはまったく異なるルーツがあった。チェイスはこの曲をファンキーなミドルテンポのトラックだと述べ、ホイットニーの得意領域の外にあったと語る。さらにこう観察する。「これは、業界のマシンが彼女を完全に磨き上げる前のホイットニーだった」

これらの証拠が示すのは、音楽ポッドキャストはもはや、あらゆる人のあらゆるニーズに応えることはできないということだ。その金メダル級の目標を達成し得る可能性がある唯一の音楽ポッドキャストは、クリス・モランフィーによるSlateの『Hit Parade』である。同番組が絶大な人気を得ているのは、リスナーがBillboardチャートに熱狂する「一種のナード祭り」であると同時に、音楽が文化、政治、社会的ダイナミクス、対人関係とどう結びつくかをたどるノスタルジックなクルーズでもあるからだ。実際、番組の副題は「音楽史と音楽トリビア」である。

モランフィーは、特定のジャンルに強くフォーカスしたエピソード構成によって、音楽の時代を滑らかに行き来できる。例えば2025年12月12日の回「Hooked to the Silver Screen」では、サイモン&ガーファンクルの画期的な「Mrs. Robinson」への賛歌から、あの壮大なティンホイッスルが印象的な「My Heart Will Go On」に至るまで、ほぼ1世紀にわたる映画音楽のヒット曲を紐解いた。

特定の時代に絞り込む場合でも、モランフィーはサブジャンルの探究で深く潜る。エピソード『Singing Nuns and Green Tambourines』では、60年代の巨人——ローリング・ストーンズ、ビートルズ、シュープリームスなど——をあえて避け、その時代のポップチャートは、イージーリスニング、グルーヴィーなバブルガム、ノベルティ曲やインストゥルメンタル曲、さらにはギターをかき鳴らすベルギー人修道女まで受け入れていたという、まったく異なる光景を描く。続いてモランフィーは、ボビー・ヴィントン、坂本九、ジーニー・C・ライリーなど、意外なチャート上位者たちによる忘れられたヒット曲を掘り起こし、なお奇妙な60年代の旅へといざなう。

ある世代の音楽

本稿は、読者が直感的に知っていたことを言語化してきた。若い頃の音楽が、生涯の音楽になるということだ。まだ信じられないだろうか。シカゴ大学の全米世論調査センター(National Opinion Research Center)から、トム・W・スミスの報告を引用しよう。「新しく登場する各世代は、その時代のポピュラー音楽に対してオープンであり、特にその世代に訴えかけ、その世代のサウンドとして自らを定義する音楽に惹かれる。その世代が年を重ねるにつれ、若い頃の音楽への嗜好を維持する傾向がある。他のジャンルが登場し、新しい形式が出現するにつれてある種の音楽の絶対的な人気は衰えるかもしれないが、少なくとも各世代は、そのジャンルの音楽が登場する前後に育った世代よりも、自分たちの若い頃の音楽に対して相対的に好意的であり続ける」

最も野心的な音楽ポッドキャストの1つは、英国のアンドリュー・ヒッキーによるものだ。『A History of Rock Music in 500 Songs』は徹底的に調査されたポッドキャストで、エピソードはしばしば2〜3時間に及ぶ。1938年から1999年までのロックの進化を年代記として描く。各回は1曲に焦点を当て——大ヒットから影響力は大きいが知名度は低い曲まで——そのジャンルを形づくった制作、ビジネス、文化的文脈を探る。例えば同番組は、マーヴィン・ゲイの1963年から1970年までのキャリアに、ヒット曲「I Heard it Through The Grapevine」を軸として、各1時間の2回を費やした。その回では、音楽におけるゲイの変遷と、メアリー・ウェルズ、キム・ウェストン、タミー・テレルといったデュエット相手を検討した。

ベビーブーマー世代はいまも、スピナーズの『I'll Be Around』や、ビートルズの『Come Together』でノっている。どの大都市にもオールディーズ専門のラジオ局がある。現世代であるアルファ世代は、オリヴィア・ロドリゴ、テイラー・スウィフト、ドージャ・キャット、ケンドリック・ラマー、BTSとBLACKPINKを流すポッドキャストを聴いている。

音楽ポッドキャストは、音楽嗜好が世代別に二分されている現実を映し出し、リスナーが求めるものを提供してきた。音楽は極めて人気が高く、エンゲージメントも強いポッドキャストのジャンルであり、世界のリスナーの51%がトップの選択肢だと答えている。驚くことではないが、若年層に強く支持されており、Z世代の35%がトップジャンルだと報告している。

もし来週の木曜が空いていて、音楽が好きで、だいたい25歳前後なら、ぜひトリビアチームに加わってほしい。手羽と生ビールが50%オフだ。チーム名はYellow PubMarine。おいおい、笑わないでくれ。

forbes.com 原文

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