サービス

2026.03.17 08:23

Lyft復活の立役者、CFOエリン・ブリュワーが語るCEOとの二人三脚

AdobeStock

AdobeStock

表向きには、Lyftは数百万人の乗客とドライバーをつなぐグローバルなモビリティ・プラットフォームである。実際には、巨大な規模で稼働するリアルタイムのマーケットプレイスだ。米国、カナダ、プエルトリコ、そして現在は欧州の一部で、年間5100万人超の乗客が利用している。

advertisement

そのマーケットプレイスの財務を率いるのがエリン・ブリュワーである。上場企業のCFOは初めてという彼女は、会社の歴史でも最も困難な局面のさなかにその役職に就き、目を見張る再建を主導した。

私は最近ブリュワーと、米中西部での生い立ち、彼女のリーダーシップ観を形づくったメンターたち、Lyftの黒字回帰、自動運転車の台頭、データ感度の高いビジネスにおけるAI、そして強いCEO—CFOパートナーシップを築くために本当に必要なことについて話し合った。

ブリュワーはインディアナ州フォートウェインで生まれたが、幼稚園のときに家族が移り住んだコロラドこそが真の故郷だと考えている。エンジニアの父と看護師の母のもと、好奇心と勤勉さが当然の価値観として根づいた家庭で育った。

advertisement

初めての本格的な給料は、コロラドの湖の近くにあるドーナツ店で働いて得たものだった。

「私の家は両親とも働いていました」とブリュワーは語る。「一生懸命働くことは、やる価値のあることだと理解していました。でも私はエンジニアの娘でもあるので、いつも好奇心があった。これはどう動くのか。プロセスは何か。すべては何時に始めなければならないのか。材料はどうやってここに届くのか、という具合に」

表面の下でシステムがどう機能しているのかを知ろうとするそのオペレーションへの好奇心は、彼女のキャリアを特徴づける資質になっていく。

Purdue Universityで学士号を、University of California, BerkeleyでMBAを取得したのち、ブリュワーはMcKessonAtlassianCharles Schwabなど、評価の高い複数の組織でキャリアを築いた。

McKessonでは、初めてCFOへの直属のレポートラインを経験した。のちにAmerican ExpressのCFOとなるジェフ・キャンベルは、彼女に大きな影響を与えた。

「彼には、リーダーとしての落ち着きがありました」とブリュワーは振り返る。「CFOはリスクや機会、曖昧さに向き合います。彼は動じなかった。あらゆる事実を受け止めた。そして、人材を支援する力が信じられないほど大きかったのです」

McKessonでの13年間、ブリュワーはM&Aファイナンス責任者、コーポレートファイナンスおよびFP&A、IR、そして最終的にはチーフアカウンティングオフィサーへと職務をローテーションした。その幅広さは偶然ではない。総合力のある経営幹部を育てるという信念に基づくリーダーシップの結果だった。

彼女はその教訓を携え、別のメンターであるジェームズ・ビアーに続いてAtlassianへ移った。同社はIPO直後で、年40〜50%の成長を遂げていた。高成長の上場企業をスケールさせる経験は、オペレーションと資本市場に関する勘どころを研ぎ澄ませた。

しかし、その後のキャリアの章を決定づける機会に比べれば、どれも十分な準備にはならなかった。

長年のリクルーターとの関係を通じてLyftのCFO職が浮上したとき、ブリュワーは関心を抱いたが、現実も見ていた。会社はパンデミックから立ち上がりつつあるとはいえ、なお資金を燃やし、持続可能な収益化への道筋には懐疑が向けられていた。

配車業界はCOVIDで壊滅的な打撃を受けた。航空会社やホテルが見出しを飾る一方で、Lyftのような企業も、人々がどこにも行かない世界に直面していた。

「私が入社した時点で、会社は利益を生み出していませんでした。四半期ベースでまだ資金を燃やしていたのです」とブリュワーは語る。「非常に厳しい時期でした」

それでも彼女はモデルを信じた。少数の規模を持つグローバル企業が支配する構造の業界で働いてきた経験から、配車をめぐる「勝者総取り」という語り口を退けた。財務的に成功するプラットフォームは複数成立し得ると、彼女は考えた。

同じくらい重要だったのが、新CEOデビッド・リッシャーとの早期の方向性の一致である。

「最初から、彼が原則に基づき、論理に基づき、価値観を軸にしていることは驚くほど明確でした」とブリュワーは言う。「彼がどう意思決定するのか、そして私たちがどう協働するのかを理解することが極めて重要でした」

そのパートナーシップは以来、同社の最大の強みの1つになっている。リッシャーは公の場で、ブリュワーは自身が行った採用の中でも最高の1人だと述べている。ブリュワーの側は、明確さ、初期の整合、そして共有する価値観を一貫して強化することに功績を帰している。

「CFOとして考えるべき最も重要な要因は、CEOとの関係です」と彼女は語る。「それぞれが異なる強みを持っています。それらがどう補完し合うかを理解できれば、影響力を増幅できます」

財務の結果は雄弁である。

LyftはGAAPベースの黒字を達成し、直近12カ月のフリーキャッシュフローは10億ドル超を生み出している。数年前には願望に見えたであろう節目だ。

同社がいま注力するのは、規律ある成長である。

ブリュワーが重視する中核指標は3つ。アクティブ・ライダー、ライダー1人当たりの乗車頻度、そしてブッキングである。プロダクトの革新からオペレーションの卓越性まで、すべてはこれらのノーススターに奉仕する。同時に、マージンの拡大とキャッシュフローの健全性は最重要のままだ。

「私たちは成長産業にいます」と彼女は説明する。「賢く投資しつつ、同時に規律を保つことが大事です。やると言ったことを、やり切るのです」

成長の物語にはいま、国際展開と買収に加え、新たなフロンティアが含まれる。自動運転車である。

Waymoのような企業との提携を通じて、Lyftは特定市場に自動運転車を統合しつつ、ブリュワーが「ハイブリッド・ネットワーク」と呼ぶ形を維持している。

需要は1日の中で山も谷もあるため、人間のドライバーと自動運転車を組み合わせた仕組みは、実用的で効率的でもある。初期データは、自動運転車が既存需要を奪うのではなく、乗客全体の母数を拡大することを示唆している。

「未来は混在です」とブリュワーは語る。「ドライバーがいなくなるわけではありません」

現代のCFOの対話にAIを欠かすことはできない。

ブリュワーのアプローチはシンプルだが力強い。AIは、人間がより良い仕事をする助けになるべきだというものだ。

LyftのAIアシスタントは、ドライバーが収益目標に到達するために最適な稼働時間帯を見極めるのを支援している。

顧客対応の解決時間は、AIの統合によって劇的に改善した。社内でも、AIが手作業のプロセスを減らし、チームがより高付加価値の仕事に集中できるようにしている。

「手作業の時間を減らし、人間の思考を増やすのです」と彼女は言う。

セキュリティとガバナンスは最優先事項であり続ける。CFOとしてブリュワーはITと緊密に連携し、AIの導入が制御され、安全で、リスクを踏まえたものになるよう徹底している。

数字の先にあるものとして、ブリュワーはリーダーシップの現実について率直である。

ワークライフバランスは、彼女も認めるように、つかみどころがない。

「難しいです」と彼女は語る。「完璧な答えを持つ人に会ったことがありません」

彼女の解決策は、意図的な優先順位付けだ。毎週、異なる時間軸(週次、四半期、年次)で最重要の目標を1つか2つ特定し、自分のカレンダーがそれらの優先事項を反映しているか自己監査する。必要なら助けを求める。そして、子どもたちの人生において本当に大切な瞬間を逃さないことを貫く。

最後に、CFOの役割がどう進化しているかを問われると、ブリュワーは「過去を振り返る会計担当者」という時代遅れの固定観念を退ける。

彼女の見立てでは、財務は中核のビジネスパートナーでなければならない。戦略と意思決定に深く組み込まれるべきだ。

「数字の番人でいるだけではいけません」と彼女は語る。「それでは不十分です」

次世代のCFOへの助言は、驚くほど地に足が着いている。

難しい任務に手を挙げよ。自分より強いチームをつくれ。自分の盲点を知れ。真の意味でのチームプレーヤーであれ。直属の部下だけでなく、組織全体に対して。

Lyftの復活劇は、いまも書き続けられている。しかしエリン・ブリュワーの財務リーダーシップの下で、同社はサバイバルモードから規律ある拡大へ、資金流出からフリーキャッシュフローへ、懐疑から戦略的自信へと移行した。

今日のマーケットプレイスにおいて、それは単なる再建ではない。

歴史がつくられつつあるのだ。

(Forbes.com 原文)

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事