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2026.03.16 16:51

「12歳の夢」を実現 ユナイテッド航空で女性パイロットが歴史的節目

Ryan - stock.adobe.com

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ユナイテッド航空は4月に就航100周年を迎えるが、航空業界における女性にとっても、もう1つ祝うべき節目がある。

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同社は日曜日、Instagramに投稿した動画で、ボーイング787の機長クレステン・ウィルソンの物語を紹介した。ウィルソンは今年、同社のパイロット1万8000人のうち、シニオリティでトップのポジションを保持する初の女性になるという。動画では、オーストラリア・メルボルン行きの同社便を待つ乗客で満席のゲートエリアで、副操縦士ロリ・マクギブニーがウィルソンを紹介している。

ユナイテッド航空が最初の女性パイロットを採用したのは1978年で、以来、女性操縦士は同社のパイロット名簿の中で少数派であり続けてきたが、その人数はゆっくりと増えてきた

シニオリティが重要である理由

シニオリティの「1番」を持つということは、ウィルソンがユナイテッド航空で最も在籍期間が長いことを意味する。航空会社はシニオリティを、勤務地(ベース)や機材のアサイン、さらには勤務スケジュールの決定にも用いる。シニオリティが高いパイロットほど希望を最優先で選べ、最上位のパイロットは自分の嗜好に合わせてスケジュールを組み立てられるなど、最大限の裁量を持つ。一方で最もシニオリティの低いパイロットは、空いているものが割り当てられるだけである。

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ウィルソン機長は、ユナイテッド航空のDC-10でフライトエンジニアとしてキャリアをスタートした。その後、ボーイング737、ボーイング747、ボーイング757、ボーイング767で副操縦士を務め、さらにボーイング737、エアバスA320、ボーイング747、ボーイング777で機長を務めたのち、現在のボーイング787を担当している。

「12歳のとき、母と一緒にデンバーにあるユナイテッド航空の訓練センターの前を車で通りかかって、母に『いつか私はあそこにいる』と言ったんです」と、彼女は動画の中で語る。「12歳のころ、女性のエアラインパイロットはいなかった。でもそれが私の焦点で、実現させた」

航空会社は職務を性別で区分してきた歴史がある

伝統的に航空会社で職を閉ざされてきたのは、女性だけではない。操縦室が何十年にもわたり男性だけの領域であり続けた一方で、多くの航空会社は客室乗務の役割を女性に限定していた。客室乗務員として男性を採用した航空会社でさえ、彼らを監督職に限り、賃金や福利厚生も大幅に手厚くしていたケースがある。

元パンナム航空の客室乗務員ベティ・リーゲルは、著書Up In The Air: The Story of Life Aboard The World's Most Glamorous Airlineで、1960年代に同社の監督職であるパーサーの役割は男性にしか開かれておらず、女性の「スチュワーデス」(当時の呼称)は婚約や妊娠で解雇されていたと記している。

客室乗務員の役割を女性に限定していた最後期の航空会社の1つがサウスウエスト航空だった。同社は、女性の性的魅力がブランドや販促活動の重要な要素だと主張していた。サウスウエストは1980年代、連邦の公民権訴訟で敗訴した後、初めて男性の客室乗務員を採用せざるを得なくなった。

注目に値するのは、労働組合の力が強い航空会社のパイロット職では、他業界の女性が長らく得がたかった公平性が1つ実現している点だ。同一賃金である。シニオリティの規則が賃金率も決めるため、在籍年数が同じであれば女性パイロットは男性パイロットと同じ収入を得る。

航空業界における女性の割合は徐々に増加

動画の中でウィルソン機長は、男性が多数を占める職域に足を踏み入れたことを認めており、数十年が経った今もその状況は大きくは変わっていない。2024年時点で、ユナイテッド航空のパイロットのうち女性は7.5%で、これは主要航空会社の中でも比較的高い割合だという。2025年には労働統計局が、航空機パイロット全体の93%が男性だったと報告している。

一方、海外の一部航空会社では、女性パイロットの比率がより高い。エールフランスは2024年、パイロットの9%強が女性だったと報告している。

ユナイテッド航空が1978年に採用した最初の女性パイロットはゲイル・ゴースキーだった。ゴースキーはボーイング747の機長として同社を退職している。

ユナイテッド航空がアリゾナ州に自社のフライトスクールを開設したのは2022年初頭だが、第1期生の80%は女性または有色人種だった。プログラム受講者の半数をそれらのグループにするという同社の目標を上回る結果である。

ユナイテッド航空には1978年以来、女性パイロットが途切れることなく在籍してきたが、最上位のシニオリティに女性が就くのは今回が初めてだ。この節目は到達が難しく、キャリアの中でそこまで到達できないパイロットも少なくない。FAAは航空会社のパイロットに65歳での定年退職を義務付けているため、シニオリティのリストでトップに到達する前にこの年齢に達してしまうケースがある。

強制退職があるため、シニオリティ最上位に到達しても、それを享受できる時間がほとんどないまま退職を迎えることもある。

ウィルソン機長にとって、航空業界の女性、とりわけユナイテッド航空のパイロット職に就いた女性たちは、インスピレーションの源だったという。「私より前にいた女性たちに、ぜひ称賛と大きな感謝を伝えたい。この男性優位のキャリアの中で壁を破り、私がここにいられる道を切り開いてくれた人たちだ」

forbes.com 原文

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