IT業界で最近話題になっているのがAtlassian(アトラシアン)だ。このオーストラリア企業は、約1600人の人員削減を発表したばかりである。あくまで人間の削減であり、AIについてはかなり攻めた「採用」が行われる見通しだ。
まずAtlassianについて説明しよう。同社はソフトウェア企業であり、プロジェクト・課題管理ツールのJira、ドキュメント共有のConfluence、タスク整理のTrello、コード共同作業のBitbucket、動画アップデートのLoomなどで知られている。ただしTrelloについては、もともとFog Creekで開発され、すでに普及した後にAtlassianが買収したものである。
繰り返すが、Atlassianはソフトウェア企業だ。アンドリュー・ヤンのような著名人がメディアで盛んに発信しているように、AIがコード作成に占める比率は急速に高まっており、コンピュータープログラマーは次々と職を失いつつある。これは、10年前に多くの親が大学進学を控えた子どもに言い聞かせた重要な教訓──「コードを学べ、そうすれば仕事にありつける」──を逆転させるものだ。
専門家によれば、こうした変化は極めて破壊的だが、社会不安の本当の引き金となるのは、自動運転トラックがトラック運転手に取って代わるときだという見方もある。
とはいえ今は、Atlassianと、ジャック・ドーシーが率いるBlock(ブロック)で起きていることを見ていこう。
AtlassianのCEOが、いかに困難な決断なのか発言
ここ数年、多くの人が雇用喪失を懸念してきた。その考え方は、「AIがあなたの仕事をよりうまくこなせるために、人間の労働者であるあなたは切り捨てられる」というものだ。
この点において、Atlassianのニュースにはやや異なる含みがある。同社はAIツールを導入する資金を確保する目的で、人員削減を行っているようなのだ。
TechDeskのアナリストは3月12日、「この組織再編は、共同創業者兼CEOのマイク・キャノン=ブルックスによる規制当局への届出と、社内メモで発表された。AIの機能、インフラ、営業力への投資拡大を『自己資金で賄う』ことを目指すとともに、財務体質と収益性の強化を図るものだ」と、報じた。筆者には、こう聞こえる。AtlassianはAI導入のために資金が必要で、それを従業員を解雇することで捻出しようとしているのだ、と。
報道によれば、キャノン=ブルックス自身が、これがいかに困難な決断かについて発言している。
「これはAtlassianにとって正しい決断だと信じている」とキャノン=ブルックスは述べた。「しかし、だからといって簡単なわけではない。決してそうではない。これが皆さん一人ひとりに大きな影響を与えることは分かっており、今日、私にもAtlassianにも重くのしかかっている」。



