5位 黄峥(コリン・フアン)
◯純資産:366億ドル(約5.8兆円。前年:423億ドル[約6.7兆円])◯資産源:Eコマース◯居住地:上海
コリン・フアンは、ナスダック上場のディスカウント小売企業PDDホールディングスの創業者。同社は、世界各国で規制の壁に直面しており、その影響でコリンの資産は過去1年で57億ドル(約9063億円)減少した。当局は2025年12月、低価格輸入品の取り締まりの一環として、アイルランド・ダブリンにあるPDD傘下のEコマース企業Temuの本社を捜索した。Temuが不当な補助金を受け取っていたかどうかについても調査が行われているという。
中国国内では、親会社PDDが税務情報の提出を怠ったとして、1月に1万5000ドル(約239万円)の罰金を科されたと国営メディアが報じた。2025年12月3日には、上海オフィスで規制当局との衝突が起き、乱闘騒ぎに発展したことも広く報じられた。この問題を受け、PDDは複数の社員を解雇したと中国の経済メディア財新が伝えている。PDDとTemuは、コメント要請に応じていない。
4位 丁磊(ウィリアム・ディン)
◯純資産:379億ドル(約6兆円。前年:333億ドル[約5.3兆円])◯資産源:オンラインゲーム◯居住地:杭州
ウィリアム・ディンは、ゲーム大手ネットイースの創業者。海外でのゲーム投資を引き続き縮小し、少数タイトルに集中する方針を進めている。ナスダックと香港に上場する同社は、日本の著名ゲームクリエーター名越稔洋が率いる名越スタジオへの資金提供を5月に打ち切る予定だと報じられている。これは、かつて同社と結んだ提携からの方針転換となる。ネットイースの2025年の売上高は、前年比7%増の161億ドル(約2.6兆円)、純利益は13.8%増の48億ドル(約7632億円)となった。同社は2026年、看板タイトルであるオンライン対戦ゲーム『夢幻西遊』シリーズや、バトルロイヤルゲーム『Eggy Party』に加え、新作オンラインアドベンチャーゲーム『Sea of Remnants』などの投入によって成長の維持を目指している。
3位 馬化騰(マー・フアテン)
◯純資産:538億ドル(約8.6兆円。前年:562億ドル[約8.9兆円])◯資産源:オンラインゲーム◯居住地:深セン
マー・フアテンは、香港上場のテンセント・ホールディングスの会長。新作シューティングゲーム『デルタフォース』を成功させた。この作品は、同社の看板ゲーム『Honor of Kings』『Peacekeeper Elite』に続く長期ヒット作になる可能性があるとみられている。2025年第3四半期(入手可能な最新の財務情報)には、『デルタフォース』が売上の押し上げに寄与し、売上高は前年比15%増の280億ドル(約4.5兆円)、純利益は18%増の102億ドル(約1.6兆円)となった。
テンセントは、AI分野では出遅れていると、調査会社86Researchの上海拠点アナリストは指摘した。中国の春節に行われたキャンペーンの後、同社AIチャットボット「Yuanbao」はユーザー定着率が最も低く、アリババのQwenやバイトダンスのDoubaoに後れを取っているとモルガン・スタンレーは分析している。Yuanbaoの2月の1日あたりのアクティブユーザー数は最大2400万人で、Qwenの7350万人、Doubaoの1億800万人を大きく下回った。AI研究を強化するため、テンセントは2025年末、元OpenAI研究者のヤオ・シュンユーを採用し、新設したAIインフラ部門の責任者に据えた。
2位 鍾睒睒(ジョン・シャンシャン)
◯純資産:681億ドル(約10.8兆円。前年:577億ドル[約9.2兆円])◯資産源:飲料、医薬品◯居住地:杭州
ジョン・シャンシャンは、飲料大手「農夫山泉(Nongfu Spring)」の創業者。2024年の不買運動がもたらした危機から回復しつつある。この騒動は、中国のナショナリスト系消費者が、一部商品のパッケージが日本建築を思わせるとしてボイコットを呼びかけたものだった。同社の2025年上半期の売上高は前年比15.6%増の37億ドル(約5883億円)、利益は22.1%増の11億ドル(約1749億円)となった。同社の企業イメージが改善するにつれ、売上の伸びは今後も続くと見られている。調査会社モーニングスターの1月の報告書によれば、2026年下半期の同社のボトル入り水事業の売上は14%増加し、茶飲料の売上も前年比20%増となる見通しだ。
1位 張一鳴(ジャン・イーミン)
◯純資産:693億ドル(約11兆円。前年:655億ドル[約10.4兆円])◯資産源:インターネットメディア◯居住地:シンガポール
バイトダンス創業者ジャン・イーミン(41)は、2年連続で中国一の富豪となった。TikTokの所有権をめぐる取引が決着したことで、非上場の同社を巡る大きな不確実要因が解消された。同社は、世界のAI開発でも存在感を強めている。中国のランキングサイトaicpb.comによれば、同社のAIチャットボット「Doubao」は中国で最も利用されているAIで、2月には3億1530万人が少なくとも1回は利用したという。
ジャンは2021年にバイトダンスの会長職を退いたが、現在もAI戦略で重要な役割を担っている。同社は2026年2月、AIモデル「Seedance 2.0」を公開し注目を集めた。このモデルは、単純なテキスト指示から映画品質の映像クリップを生成できる能力を持ち、衝撃を与えたためだ。イーロン・マスクは2月のXの投稿で、Seedanceモデルで生成されたリアルな映画シーンを引用して、「これは急速に進んでいる」と述べていた。


