北米

2026.03.13 07:30

原油価格、再び1バレル100ドル突破──トランプ「上昇は米国に多くの利益」と主張後

Photo by Andrew Harnik/Getty Images

Photo by Andrew Harnik/Getty Images

ドナルド・トランプ米大統領は12日、米国は世界最大の産油国であり、「石油価格が上がれば、米国は多くの利益を得る」と自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」への投稿で主張した。その直後、ブレント原油先物価格は再び1バレルあたり100ドルに達した。

advertisement

米エネルギー情報局(EIA)によると、米国は世界で最も多くの原油を生産しており、世界の生産量の約22%を占める。ただ、米国は世界最大の石油消費国でもある。

原油価格の上昇に伴い、米国の平均ガソリン価格も当然のことながら上昇している。米自動車協会(AAA)によると、3月12日時点のガソリン価格は1ガロン(約3.78リットル)あたり平均3.59ドル(570円)だ。

トランプ大統領はSNSへの投稿の中で、原油価格より重視すべきは「邪悪な帝国イランの核兵器保有を防ぐことだ」と述べた。この発言のすぐ後に、イランの最高指導者に選ばれたばかりのモジタバ・ハメネイ師が初の声明を公表した。ハメネイ師は、米国とイスラエルによるイランへの空爆が始まった初日に殺害された前最高指導者アリ・ハメネイ師の息子だ。

advertisement

ブレント原油先物価格は米東部時間12日午前9時23分ごろに1バレル100ドルに達した。その後いったん下落したが徐々に上昇し、1時間後には再び100ドルを超えた。

イランの国営メディアによって発表された声明で、ハメネイ師は「効果的な防衛を続け、敵に後悔させることを国民は望んでいる」「ホルムズ海峡の封鎖という手段は今後も使い続けなければならない」などと述べた。また、攻撃の「新たな戦線」を開く可能性を示唆し、小学校への攻撃で犠牲になった子どもたちの仇を討つことを誓った。

小学校への攻撃では推定175人が死亡し、その多くが子どもだった。内部調査の初期報告では、この攻撃は米軍によるものである可能性が高いことが示されている。

イランの当局者は11日、イラン軍がホルムズ海峡で複数の船舶を攻撃した後、原油価格が1バレル200ドルに達する可能性があると警告していた。ホルムズ海峡は中東産石油の輸送の要衝だ。

米国のガソリン価格は、米国とイスラエルが2月28日にイランへの攻撃を開始して以来上昇しており、上昇幅は約60セント(約95円)となっている。国際エネルギー機関(IEA)が12日に発表した報告書によると、ホルムズ海峡の封鎖が続く限り、ガソリン価格の混乱は続く可能性がある。

ホワイトハウスはガソリン価格の上昇は一時的なものという見方を維持しており、キャロライン・レビット報道官は攻撃が終結すればガソリン価格は「急速に下がる」と主張している。

今回の価格急騰は、IEAが戦略備蓄から過去最大規模となる4億バレルの石油を放出すると発表した翌日のことだ。この放出は、ホルムズ海峡封鎖の市場への影響を和らげるための措置である。

IEAは12日の報告書で、今回の攻撃について「世界の石油市場の歴史における最大の供給混乱」と形容した。また、現在ホルムズ海峡を通る石油輸送が「ほぼ停止状態」にあると指摘している。こうした状況を受けて、アラブ首長国連邦(UAE)やサウジアラビアなど中東地域の一部の産油国では減産あるいは完全停止を余儀なくされている。

forbes.com 原文

翻訳=溝口慈子

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事