日常業務にAI(人工知能)を使う従業員が増えていくなかで、当初の警戒感に代わり、慎重ながらも楽観的な見方が主流となりつつある。ターニングポイントをもたらしたのは、些細にも見える思考の転換だ。それはすなわち、「AIは我々人間の代わりに働くものではなく、人間とともに働くものだ」という捉え方だ。
この「AIをチームメートと考えるマインドセット」に転換する従業員が増える現象を見て、専門家は今や、2026年のあいだにAIが「最高の仕事仲間」になると予言している。しかし、働き手は本当に「AIがチームメートになる」ことを心の内で受け入れているのだろうか? また、この流れに逆らったなら、何が起きるのだろうか? ほかの同僚がこの流れに乗るなかで、それを拒否したなら、キャリアにおいて後塵を拝するリスクが生じてしまう。以下で説明していこう。
「AIをチームメートと考えるマインドセット」とは
筆者は2023年、Forbes.comに、米国の働き手はAIに対する不安にとらわれているという内容の記事を書いた。この記事で焦点を当てたのは、AIが人間の仕事に取って代わり、信頼が失われ、最終的には人間が連綿と作り上げてきた「仕事」という概念そのものが崩壊するのではないか、という恐れだった。
2026年1月、筆者は別の記事を書いた。AIを恐れるこうした気持ちに変化が起きつつあり、従業員は以前よりは心穏やかになっていることを伝える内容だ。筆者が話を聞いた専門家もほぼすべてが、年内にAIが仕事の場で日常的に使用されるようになると予測している。
「AIに仕事を奪われるのではないか」と心配するだけで、AIを使わないでいると、自身のキャリアがリスクに晒されてしまう、と職場に関する専門家は警告する。真のリスクは自動化ではない。AIを戦略的に使う方法を熟知した同僚がいることで、ためらっている人の存在感が失われてしまうことだ。
AIをチームメートと捉えるといっても、オフィスで人間型のロボットが隣に座り、協力しようとする、ということではない。「仕事仲間としてのAI」とは、AIは仕事の在り方を再定義するかもしれないが、人間の必要性を消し去るものではないということを伝え、働き手に安心してもらうためのメタファー(比喩的表現)だ。
OpenAIやAnthropic(アンソロピック)から、仕事管理ツールを提供するAsana(アサナ)まで多くの企業が、AIを「仕事仲間」と捉えるコンセプトに大いに肩入れしている。



