アート

2026.04.01 10:15

名画『バベルの塔』、なぜ世界一高い塔には「誰も住んでいない」のか?

Getty Images

建設は順調に進んだ。当時、人類は皆同じ言葉を話していたため、意思疎通は完璧だった。このままいけば、本当に天まで届いたかもしれない。

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しかし神は、この傲慢な計画を許さなかった。

神が下した罰は巧妙だった。人々から「言葉」を奪ったのだ。

正確には、それまで1つだった言語をバラバラにした。

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想像してほしい。昨日まで普通に話せていた同僚の言葉が、突然まったく理解できなくなる状況を。

「レンガを持ってこい」と言っても通じない。

「危ない!」と叫んでも伝わらない。

建設現場は大混乱に陥った。

こうして、この地は「バベル(混乱)」と呼ばれるようになった。

結局、塔は永遠に未完成のまま残された。誰も住むことのない、人類の愚かさの記念碑として。

だから、世界一高い塔には誰も住んでいない。

住むための塔ではなく、神に挑戦するための塔だったから。そして、その挑戦は永遠に失敗する運命にあったのだ。

【Summary】
住むために建てられた塔ではなく、神への反逆の証として建てられたもの。「バベル」とは「混乱」を意味する言葉。

歴史上最も奇怪な殺人を描いた絵画

バラの花びらだけで人は死ぬのか?
→ 死ぬ

『ムンクは何を叫んでいるのか』より (写真提供:akg-images/アフロ)
『ムンクは何を叫んでいるのか』より (写真提供:akg-images/アフロ)

『ヘリオガバルスのバラ』(1888)
作者:ローレンス・アルマ=タデマ
所蔵:個人蔵

画面いっぱいに舞い落ちる、美しいバラの花びら。しかし、よく見ると花びらの下に人が埋もれている。動かない。息をしていない。

これは、歴史上最も奇怪な殺人を描いた絵画だ。

紀元218年から222年、わずか4年間ローマを支配した皇帝マルクス・アウレリウス・アントニヌス(通称ヘリオガバルス)。

彼は快楽に溺れ、毎夜酒池肉林の宴会を開く暴君だった。

ある日、彼は恐ろしいことを思いつく。

「バラの花びらだけで人は死ぬのか?」

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文=井上響/美術史作家、美術史ソムリエ

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