有害な成功は、職場だけでなく家庭生活も不安定化させる
デートアプリのTawkify(トーキファイ)が1003人の米国人を対象に実施した、真剣な恋愛関係や結婚生活に関する調査によれば、有害な成功と燃え尽きの影響が及ぶのは職場だけではない。この調査結果は、人間関係という重要な側面に光を当てており、有害な成功がいかに恋愛関係を損ない、家庭生活を不安定化させ、人間関係の健全性と長期的安定性を脅かすかを浮き彫りにした。調査結果のうち重要なポイントは以下の通りだ:
・回答者の53%が、恋愛関係を維持するために、仕事のストレスを隠すか、実際よりも低く見せかけている。なお、筆者は以前のForbesの記事で、この状態を「仕事との浮気」と表現した。
・仕事のストレスを完全に私生活と切り離せていたのは、回答者の24%に過ぎない。
・回答者の47%は、日常生活のなかでイライラしやすくなった、気が散りやすくなった、感情表現に乏しくなったと答えている。
・回答者の43%は、仕事のストレスが家庭における緊張の最大の原因だと答えている。
この結果は、筆者自身が学術誌『American Journal of Family Therapy』に掲載した研究結果とも符合する。この研究では、オーバーワークが結婚相手との仲違い、ポジティブな感情の減少、そして時には高い離婚率につながることが示された。
有害な成功と、持続可能な成功
現代の成功カルチャーの基礎にあるのは忍耐だ。だが、忍耐だけでは成功は持続しない。成果の指標は、どれだけ長く過労状態を続けられるかではない。重要なのは働きすぎから抜け出すべき時を、正しく見極めることだ。
世界的なエネルギーテクノロジー企業C&C Reservoirs(C&Cリザーボアズ)の創業者であり、『From Burnout to Bliss(燃え尽きから至福へ)』の著者でもあるシャオチン・スン博士は、野心的なリーダーほど自分自身の失調に気づきにくいと指摘する。「ハイ・パフォーマーは、ストレスを強さと混同しがちです。エゴは燃え尽きを、仕事への献身と偽ってしまうのです」
危険を示す初期徴候、例えば慢性疲労や、感情の平板化、いら立ち、あるいは、仕事のパフォーマンスだけにアイデンティティを限定してしまうことなどは、しばしば一時的なプレッシャーとして認識される。しかし慢性的な過労は、神経系の状態を再調整する。すると、目まぐるしさが日常となり、安定した状態にかえって居心地の悪さを覚えるようになる。パフォーマンスが低下する頃には、有害な成功の代償は、自分のなかにしっかりと蓄積している。
2026年に学ぶべき教訓、それは「回復なき成功は強みではなく、緩やかな崩壊である」というものだ。有害な成功のカルチャーにおいて、野心は、絶え間ない上昇志向と同一視される。だが、継続的に優れた成果を上げるのは、不眠不休で働く人ではない。継続的に優れた成果を上げる者たちは、戦略的に仕事と向き合い、崩壊に至る前に方向転換する。彼らのパフォーマンスには、加速、回復、事後評価、方向の調整という循環的なパターンが見て取れる。


