ドナルド・トランプ米大統領が敢行した対イラン軍事作戦の最終目標が何なのか、トランプの考えがイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相の地域構想にどの程度影響を受けているのかを、正確に見極めることは不可能だ。しかし、トランプ政権の発表と行動から判断するに、イランの軍事力を機能不全に追い込む持続的な取り組みと相まって、先ごろ南米・ベネズエラで起こった出来事と似た結果を求めているように思われる。トランプは6日、自身のSNSトゥルース・ソーシャルに「無条件降伏以外、イランとの取引はありえない」と投稿した。
ベネズエラでトランプは、体制転換を選択しなかった。ニコラス・マドゥロ前大統領と妻シリア・フローレスの拘束は緻密に実行された。おそらく、これが成功体験となってトランプに勇気を与え、イラン最高指導者アリ・ハメネイ師の殺害でも同様の結果が得られると踏んだのだろう。
イスラエルは昨年ハメネイ師を殺害する計画をトランプに提示したが、湾岸諸国からの圧力もあり、地域紛争の拡大を懸念したトランプ政権はこれを拒否していた。トランプにとって、そのような懸念が薄れたのは明らかだ。ただ、トランプがイランで狙っているのは完全な体制転換ではなく、ベネズエラで達成したような「米国に従順な政権」の樹立の可能性がある。
トランプの立場から見れば、ベネズエラでは事態が完璧に収まった。憲法に基づき、デルシー・ロドリゲス副大統領が最高裁判所の命令を受けて自動的に次期大統領に就任。野党指導者でノーベル平和賞受賞者のマリア・コリナ・マチャドは、次期大統領への推薦を期待してトランプにノーベル賞メダルを贈呈したが、トランプは不要と考えた。ロドリゲスはトランプに表面的な賛辞を贈ることに何の抵抗もなく、ベネズエラの体制は(マドゥロが率いていたとされる麻薬密輸組織カルテル・デ・ロス・ソレスへの関与がうわさされる軍部もろとも)そのまま維持された。ロドリゲスとトランプはその後、互いに称賛を惜しまない関係にある。



