サイエンス

2026.03.06 13:38

旅行で試されるカップルの絆 心理療法士が語る関係強化の秘訣

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「旅行は、回避に対する最高の特効薬だ。日常生活では、研究によれば、家族と過ごす時間は1日あたり約4時間にとどまる」と、Herway Counseling創設者で臨床ソーシャルワーカーのニコール・ハーウェイは言う。「だが休暇中は、起きている時間のほぼすべてを家族と過ごす可能性がある」。これによりコミュニケーションは一気に加速する。本来なら数週間、あるいは数カ月かけて向き合うはずだったことが、互いに同じ空間にい続けざるを得ないため、数時間のうちに話題に上ることもある。

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休暇は、日常では不可能な新しい形で互いを見つめ、共に存在することを強いる。「確かに家族として一定の時間は一緒に過ごしているかもしれないが、その多くは機能的な時間だ。皿洗い、習い事の送迎、食料品の買い出しといった具合に」とハーウェイは言う。休暇は家族やパートナーとの本当の余暇をもたらし、日常生活では隠されていた関係性のパターンを明らかにする。

休暇はリラックスするためのもののはずだが、実際には日常では見えない圧力が何倍にも増幅されるとハーウェイは説明する。休暇への期待値が不自然に高くなり、失望の可能性が跳ね上がる。ルーティンから外れることで自己調整の力が大きく低下する。激しい瞬間ややりとりから気持ちを落ち着かせるための空間や時間も消える。移動による意思決定疲れが精神的エネルギーを奪う。家では不要だった主導権争いが持ち込まれる。「さらに、せっかくの旅を『元を取らなければ』という圧力まで重なり、家では決して遭遇しない感情の圧力鍋が出来上がる」とハーウェイは言う。

しかし彼女は、悪い家族旅行やカップル旅行というものは存在しないと心に留めておくべきだと説明する。すべての旅行が家族やパートナーシップについての情報をもたらすからだ。物事がうまくいかず、相手の対応が悪かった場合、それは有益な情報である。逆に、物事がうまくいかなくても、相手がうまく対応した場合、それも役立つ情報だ。「住宅の悪い査定結果が人生の判断材料として役立つように、うまくいかなかった旅行も同様に役立つ」とハーウェイは言う。

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カップルが良いスタートを切るための方法

「カップルとのセッションでは、判断を交えずに困難を言葉にすることを勧めている。『あなたって本当にだらしないね』と言うのと、『私たちは日常のことへの対処の仕方が違うみたい。話し合える?』と言うのでは大きな違いがある。つながりのためのトーンを変えることができる」と語るのは、Feel Your Way Therapyの臨床ディレクターで心理療法士のアルカディ・ヴォルコフだ。

彼は、旅行中は断絶の瞬間に気づき、素早く対処することが不可欠だと指摘する。この即応性は大きな意味を持つ。彼が勧めるフレーズには次のようなものがある。「さっきはきつく当たってごめんね」「疲れちゃった。少しペースを落として、この場所をちゃんと楽しみたいな」

また、旅行は関係性について多くの情報を与えてくれるが、それが必ずしも「判決」ではない点も重要だ。むしろ、感情やコミュニケーション、境界線の違いを浮き彫りにするものである。ヴォルコフは言う。「旅行は実際、成長とつながりを加速させる素晴らしいツールになり得る」

旅行はカップルが成長するための手段である

「臨床の現場では、休暇を固定化したパターンから抜け出し、異なる在り方を育む絶好の機会と捉えている」と語るのは、臨床ソーシャルワーカーで心理療法士のローラ・ノーランだ。「日常生活は特定のペルソナの上に築かれており、それが窮屈に感じられることもある。旅行は、自分自身や他者とより深い親密さを築く機会である」

ノーランによれば、休暇はしばしば関係性の根底にあるパターンを、良い面も悪い面も含めて明らかにする。よくある関係性のダイナミクスとして、一方が追いかけ、もう一方が距離を置く「追う人(pursuer)と距離を取る人(distancer)」パターンがある。同様に、「不安型と回避型のダンス」も関係性における押し引きのダイナミクスで、一方が親密さを求めて押し、もう一方が後退する。「休暇中に親密さに心を開くには技術が必要だ。それは意図を持ちながらも、同時にそれを手放すことである」とノーランは言う。

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