食&酒

2026.03.05 10:13

朝から踊る「コーヒーレイブ」が急増──新たな社交の形は定着するか

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コーヒーは私が1日を始めるための定番だ。コーヒー1杯といえば、心地よい椅子に身を沈め、良書を手にし、スピーカーからは軽いジャズが流れる──そんな情景とも結びついている。だからこそ、週末の朝にブルックリンで最近オープンしたRuhani Cafeに偶然立ち寄り、通りの向こうからライブDJの音が聞こえてきたときは驚いた。当時はこれが「コーヒーレイブ」と呼ばれるものだとは知らなかったが、その後この言葉が会話の中で繰り返し登場し、もっと知りたいと思うようになった。

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食品・飲料データベース大手のDatassentialは1月、消費者のおよそ3分の1が「アルコール摂取をより適切にコントロールできるはずだ」と感じており、6%は飲酒量を減らすか、完全にやめたと報告した。人々が典型的なナイトライフの場の外に「つながり」を求めるのは自然な流れであり、こうしたコーヒーパーティは、酒を主役にせず、好きな音楽を聴きながら同じ感覚を共有する仲間と過ごせる場を提供しているように見える。

だが、あらゆるトレンドと同じく、この脈動する昼のパーティが長く続くのか、それとも一過性の流行にすぎないのか、気にならずにはいられない。そこで業界の専門家に、この最新の「カフェでクラビング」トレンドの実態と、今後の行方について聞いた。

コーヒーレイブの「空気感」とは?

夜のナイトライフの熱気に引き寄せられるのではなく、コーヒーレイバーたちは、日中に集まりながらも、楽しい音楽と高い熱量を共有できる体験を求めている。では、こうしたイベントの雰囲気は具体的にどのようなものなのか。

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サウスカロライナ州グリーンビルのMethodical Coffee共同オーナーであるWill Shurtz氏は、メールでこう説明した。通常のレイブと同じクラブミュージックが流れるが、カフェのような雰囲気があるという。「コーヒーと焼き菓子がある。そして多くの場合、朝に開催される」と彼は言う。

4店舗を構える自身のコーヒーショップで開催することに興味があるか尋ねると、Shurtz氏は、まだ話し合いはしていないがアイデアには前向きだと答えた。

「若い世代は以前ほど酒を飲まないが、それでも楽しみたいと思っている。グリーンビルでは誰もこうしたパーティをやっていないから、ここではクールで新しい体験になるかもしれない」と彼は言う。

サンタバーバラのKimpton Canary Hotelもまもなく、土曜朝のコーヒーパーティシリーズを開始する。会場は施設のルーフトップで、ライブDJを迎え、コーヒーは地元のモバイルカフェConsidered Coffeeが提供する。

「人々は再びつながりを求めている。ただし必ずしも従来のナイトライフの場ではない」と、Kimpton Canary Hotelのセールス&マーケティング・ディレクター、Charles Gardner氏はメールで語る。「これは昼間にクラブ環境を再現することではなく、コーヒー、音楽、日差し、会話を基盤にした日中の社交の場を提供することなのだ」

コーヒーレイブでは何が提供されるのか?

コーヒーレイブのトレンドはまだ比較的新しいが、進化を続けており、提供内容も広がっている。コーヒーとペイストリーがメニューに並び、ライブDJがいるのは確かだが、より大規模な集まりでは、マッサージからフィットネスクラスまで提供するところもある。

ソーシャル・ウェルネスイベントのグループCoffee & Chillは、ニューヨーク、マイアミ、ロサンゼルス、オースティンなどの主要都市で、定期的にチケット制イベントを開催している。ペントハウスやルーフトップを会場にし、各回およそ300〜600人を集める。またニューヨークのJack's Stir Brew Coffeeや、マイアミのRaccoon Coffeeといった地元のコーヒーブランドとも提携している。

「どのCoffee & Chillのイベントにも、コールドプランジ、DJ、コーヒー、抹茶がある」と共同創業者のLiz Lindenmeier氏は電話で説明する。「皆がDJに乗って、コーヒーを手に、ウェルネスショットを飲み、マッサージを受け、レッドライトセラピーをする。だから"シーン"としての要素は十分にある」

こうしたイベントには25〜45歳の人々が集まり、男女比はほぼ半々だという。Lindenmeier氏はこれを利点だと示唆する。

「独身でデートを探している人が出会うための、もう1つの"追加要素"のようにもなる」とLindenmeier氏は言う。「健康を優先しながら、明らかにネットワーキングも重視している若手プロフェッショナルがたくさんいる」

本当にアルコールはないのか?

これらのコーヒーパーティの中には、酒を厳格に排除し、いわゆるソバー・キュリアス層や節度ある飲酒を意識する人々に寄り添うものもある。一方で、トレンドが拡大し、より広い客層に届くにつれて、むしろ酒も取り込み、さらなる包摂性を提供しているように見えるものもある。

コーヒーリキュールMr Blackのグローバルおよび米国のビジネスディレクターであるOlivia Kupfer氏は、メールでこう述べる。「昼間のコーヒーレイブは素晴らしいコーヒーが売りだが、次第に素晴らしいカクテルも含まれるようになってきた。コーヒーショップやベーカリー、さらにはデリでの昼のレイブを見てきたが、人気が高まるにつれて参加したい人も増え、レイブは新たな空間へと広がった。そこで高揚感のある体験の中でカクテルを求める消費者も一緒に流入している」

アルコールを提供するレイブでは、定番のエスプレッソ・マティーニから、ナイトクラブでよく見かけるような2つの材料だけのシンプルなカクテル(ラム&コークなど)まで、さまざまなものが出されることがある。暖かい季節のイベントでは、スプリッツやスラッシーといった爽快なカクテルが提供されることもあり、ロゼなど冷やしたワインが並ぶ場合もある。

Unfiltered Hospitalityのパートナーで、The Sylvester共同オーナーでもあるBen Potts氏は、昨年のMiami Music Week期間中にDaybreakerMiami Ironsideで開催したイベントに参加した。そこでコーヒー、紅茶、水が提供されていた一方、参加者は他のドリンクも飲んでいたことに気づいたという。

「実際にアルコールを飲んでいる人がたくさんいたが、私には問題なかった」とPotts氏はメールで語る。「そこではアルコールは販売されていなかったが、持ち込んでいるように見えた」

なぜ今、コーヒーレイブやコーヒーパーティが人気なのか?

コーヒーレイブが増えているのには理由がある。消費者は、自分と同じようにウェルネスを重視する、価値観の近い人々との対面のつながりを求めているのだ。

「イベントで提供しているコーヒーとコールドプランジは大きな魅力だ」とLindenmeier氏は言う。「しかし本質はコミュニティにある。コーヒーを手にしているときにこそ、良い会話やネットワーキングが生まれる」

1 Hotel South Beachは昨年のArt Weekに、トロント発の「The Coffee Party」と組み、レストランTala Beachで初のコーヒーパーティを開催した。そのパーティでは、踊る人々の傍らで、もう1つ興味深いことも起きていた。人々がスマホを見ていなかったのだ。

「人々が写真を撮ってSNSに投稿しようと急いでいる、インフルエンサーイベントのようには感じなかった」と、1 Hotel South BeachのマーケティングディレクターであるTatiana Meira氏はZoomで語る。「その場の瞬間を生き、人とつながり、ただ音楽を楽しんでいるという雰囲気だった」

このコーヒーパーティは定着するのか?

近ごろ、こうしたコーヒーパーティが増えているのは間違いない。だが問題は、このトレンドが続くのかどうかだ。現時点では、業界内でも見方が分かれているように見える。

Shurtz氏は、この楽しい新トレンドを支持するとしつつも、定着するほど持続可能だとは思わないと打ち明ける。「コーヒーショップは朝のルーティンの場所だ。必ずしもパーティをする場所ではない」と彼は言う。

一方でMeira氏は、コーヒーパーティはしばらく続くと考えている。「今は誰もがウェルネスを優先している。それに、人々は昼間に踊りたいのだ」と彼女は言う。

Potts氏については、こうしたイベントのチケットに再びお金を使うかどうかは分からないという。だが、それは将来も残るという見立てを必ずしも弱めるものではない。「コンセプトは好きだし、素晴らしい音楽も大好きだ。昼のパーティにも確かに居場所はある」と彼は言う。

forbes.com 原文

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