ヘルスケア

2026.03.04 10:53

加齢関連疾患の研究に7つの研究チームが1億4400万ドルを獲得

連邦政府は、加齢関連疾患に対する医療介入を研究するため、複数の大学やその他の生物医学研究機関に対し、5年契約で最大1億4400万ドルを助成する。

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米国保健福祉省(HHS)傘下の先端医療研究プロジェクト局(ARPA-H)が、7件の助成を行う。資金は、健康的な長寿を促進し、加齢関連疾患の根本原因の理解と治療を向上させることを目的としたARPA-HのPROactive Solutions for Prolonging Resilience(PROSPR)プログラムの一環である。

平均寿命の延伸に伴い、ほとんどの米国人は加齢とともに慢性疾患や機能的制限を発症する。米国疾病予防管理センター(CDC)によると、65歳以上の90%以上が少なくとも1つの慢性疾患を抱え、約80%は2つ以上を有する。PROSPRは、老化の生物学を直接標的とする薬剤やその他の介入を米国人に提供することで、この状況を変えることを目指している。

ARPA-Hのアリシア・ジャクソン長官はプレスリリースで、「慢性的で衰弱を招く疾患に打ち勝つには、新しい治療法だけでなく、新規でエビデンスに基づく予防アプローチが必要だ」と述べた。「PROSPRは、健康な加齢の研究方法における地殻変動を象徴する。ARPA-Hは新たなバイオマーカー、介入、臨床試験デザインの限界を押し広げ、すべての米国人がより長く健康でいられる治療法に近づけていく」

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PROSPRは、すでに利用可能な縦断データを活用し、長期的な健康アウトカムの生物学的代替指標として用い得る要因の特定を支援する。PROSPRのチームは、通常は数十年を要するところを1〜3年の期間で加齢関連の健康アウトカムを測定できる在宅型の臨床試験を開発する。目的は、「健康を維持し、自立を保ち、疾患末期の長期治療を回避する」ことに焦点を当てた、新たな「ヘルススパン産業」を創出することだ。

総額1億4400万ドルの契約(個別の助成額は異なる)は、各チームが所定の研究マイルストーンを達成することを条件とする。

7つのチームは、スタンフォード大学、テキサス大学サンアントニオ健康科学センター、コロンビア大学メイルマン公衆衛生大学院、フロリダ州セントピーターズバーグのApollo Alpha、ニューヨーク市のCambrian BioPharma、ニュージャージー州ハドンフィールドのLinnaeus Therapeutics、ロチェスター大学が率いている。

テキサス大学サンアントニオ健康科学センターには、最大3800万ドルが助成される。同センターのサム&アン・バーショップ長寿・加齢研究所の研究者は、FDA承認済みの3つの薬剤(ラパマイシン、ダパグリフロジン、セマグルチド)を転用し、概して健康な中年成人(60〜65歳)における加齢に伴う健康および機能の低下を遅らせられるかを評価する。

この試験では、ウェアラブル技術を使用して、機能低下は測定可能だが疾患リスクは比較的低い時期の参加者をモニタリングする。参加者は、将来の米国人口構成に類似した人口動態を持つサウステキサス地域から募集され、結果は国全体に関連性を持つものとなる。

バーショップ研究所所長のエレナ・ボルピは、「加齢を、避けられない疾患の蓄積ではなく、修正可能な機能の軌跡として捉え直すことで、本研究は、将来の臨床開発に示唆を与え、人々が年齢を重ねる過程で生活に良い影響をもたらし得る、予防的介入のスケーラブルで規制当局に通用する枠組みを確立する」と述べた。

ロチェスター大学の研究者には、2200万ドルの契約が与えられ、HIV治療のために当初開発された薬剤が、身体自身のDNAによって引き起こされる慢性的な免疫反応を抑制できるかどうかを評価する。このプロジェクトは、ロチェスター大学の科学者と、ブラウン大学、コネチカット大学、テキサス大学メディカルブランチ、テキサス大学ヘルス・ヒューストン、ネブラスカ大学、Transposon Therapeuticsの研究者らとの共同で進められる。

研究は、人のゲノムの一部であるレトロトランスポゾンの働きに焦点を当てている。実際のウイルスとは異なり、トランスポゾンは他の細胞に感染しないが、加齢とともに活性化し、体がウイルスに攻撃されているという誤った警報のようなものを免疫系に送る。このプロセスは、なぜ加齢が多くの慢性疾患の根底にあるのかを説明する一助となる可能性がある。人は年を取るにつれて、細胞が自らの遺伝物質を脅威と誤認し始め、身体的・認知的な低下に寄与する慢性炎症を引き起こすのだ。

スタンフォード大学の研究者は、複数機関が収集した健康データセットを用い、新たなヘルススパン・スコア(PROSPR-ICスコア)を作成する契約を結ぶ。新たに開発された在宅デジタルヘルス評価技術を用いる1年間の生活習慣介入で、このスコアの精度を検証する。

コロンビア大学メイルマン公衆衛生大学院は、加齢アウトカムの改善を目的とする介入に反応するバイオマーカーを特定するための助成を獲得した。FAST(Facilitating Aging Studies with Translational data)と呼ばれるこのプロジェクトでは、幅広い老化防御特性を持つことが知られる薬理学的薬剤を対象とした既存の臨床試験データを分析する。

同庁の発表によれば、残る3つのプロジェクトはいずれも、加齢関連疾患の軽減における各種薬理学的薬剤の有効性を評価する。Apollo Alphaは、血液脳関門を通過し、エネルギー恒常性、脂質代謝、炎症を標的とする経口投与可能な化合物が、加齢アウトカムを改善するかどうかを検証する。Cambrian BioPharmaは、毎日経口投与するラパマイシン類似体に治療上の利益があるかを評価するため、3080万ドルの契約を獲得した。Linnaeus Therapeuticsには2200万ドルが提供され、「内在的能力(intrinsic capacity)」、すなわち後年の自立とレジリエンスを支える統合された身体的・認知的能力を、経口薬候補が維持できるかどうかを検証する。

forbes.com 原文

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