経済

2026.03.04 14:00

ペルシャ湾とホルムズ海峡での戦争、勝者と敗者は誰に 日本は後者の恐れ

中東バーレーンの首都マナマで2026年2月28日、米国とイスラエルが行った攻撃に対するイランの報復ミサイル攻撃を受け、黒煙を上げる米海軍第5艦隊司令部の施設(Stringer/Anadolu via Getty Images)

中東バーレーンの首都マナマで2026年2月28日、米国とイスラエルが行った攻撃に対するイランの報復ミサイル攻撃を受け、黒煙を上げる米海軍第5艦隊司令部の施設(Stringer/Anadolu via Getty Images)

湾岸地域で軍事衝突が起きたことで、世界の石油・天然ガス貿易の要衝であるホルムズ海峡の交通はほぼ停止した。世界の市場価格、特に原油価格の急騰がどれほどの規模となり、どの程度の期間続くのか、現段階での見通しはまちまちだ。ドナルド・トランプ米大統領は当初、作戦終了まで1カ月程度かかるとの見方を示したが、その後、必要な限り攻撃を継続すると述べている。

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市場への直接的な影響と同じくらい重要な問題は、この戦争が長引いた場合、とりわけ石油輸出インフラが直接攻撃にさらされる中、勝者となるのは誰で、敗者は誰になるのかという点だ。サウジアラビア、クウェート、アラブ首長国連邦(UAE)、カタール、イラク、そしてイラン自身もホルムズ海峡に大きく依存している。各国の主要顧客も同様だ。

石油価格をめぐる不確実性

控えめに言って、投資家は先行きに神経質になっている。米国とイスラエルがここまで突然かつ激しい攻撃に出て、ましてやイランの最高指導者ハメネイ師や主な軍事指導者を一挙に殺害するとは誰も予想していなかった。また、2025年6月の空爆後の反応を踏まえれば、イランが米軍の駐留する湾岸諸国に対してこれほど大規模なミサイルとドローンを用いた反撃を行うと予想していた人もいないだろう。

戦争は混乱をもたらす。今回も例外ではない。トランプ大統領がイラン新指導部との「対話」に同意したと発言した直後、攻撃は激化。米軍が戦績を誇示する一方、イラン側は海峡を封鎖したと主張し、複数のタンカーが攻撃を受けたと報じられている。

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今後数日〜数週間の原油価格の動向予測は、小幅上昇から1バレル=100ドルを超える急騰まで大きく分かれている。後者の可能性のほうが高く思われるが、すべては今後の展開次第だ。

歴史も経験も、過去の石油危機が将来の予測モデルにはならないことを示唆している。市場の状況は常にその時々に特有であり、トレーダーの心理も相応して変わるため、過去に起こったことが前例や叩き台にはならないのだ。戦時の価格予測はたいてい、その代償と同等かそれ以下の価値しかない。

戦争が長引いた場合の「勝者」と「敗者」

石油・天然ガスをめぐる現在の地政学的状況は複雑ではあるが、この紛争によって利益を得られるのはどの国で、不利益を被る恐れがあるのはどの国か、あるいはその両方の影響を受ける国があるのかについて、示唆を与えてくれる。

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翻訳・編集=荻原藤緒

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