海藻の研究・栽培・加工を手がけるシーベジタブルは3月2日、東京・八重洲に同社初の常設店「シーベジスタンド」をオープンした。東京駅八重洲口から徒歩約3分。昼は独自にアレンジされた「海藻ラーメン」を看板メニューに、夜は海藻料理をつまみに酒を楽しめる「海藻酒場」として営業する。東京駅・日本橋エリアという交通の要所に構え、国内外のビジネスパーソンや観光客、地域住民に向けて「海藻の新しい価値体験」を提供する場を目指す。
シーベジタブルは2016年の創業以来、30種類以上の海藻で種苗生産技術を確立。海藻の研究や陸上栽培と海面栽培に取り組んできた。地下海水を活用した陸上栽培にも成功し、天然採取に依存してきた海藻産業において、安定生産の基盤構築に取り組んでいる。
日本の沿岸には約1500種類の海藻が生息し、地域ごとに独自の食文化が育まれてきた。しかし、流通・栽培される種類は限られ、気候変動などの影響で天然資源は減少傾向にある。日本では食生活の変化により日本では1人あたりの消費量が減っている一方で、海藻はサステナブルな食材として海外からの関心は高まっているという。
こうした背景から、同社が構想したのが、海藻そのものの魅力を五感で体験できる常設拠点だ。共同代表の友廣裕一は、「海藻のワンダーランドを目指しました」と表現する。単に海藻料理を提供するのではなく、食・学び・空間演出を通じて、海藻の可能性を多面的に体感できる場にしたいという思いが込められている。
1階はスタンド形式の飲食フロア。昼の看板メニューである「海藻ラーメン」は、熊本・天草産の真鯛出汁に、シーベジタブル独自開発の「青のりしょうゆ」を合わせたスープが特徴だ。複数の海藻を組み合わせ、香りや食感の違いを楽しませる構成は、「海藻=トッピング」という従来のイメージを覆す。
「海藻を“むしゃむしゃ食べる”経験って、あまりないと思うんです。体験してもらわないと、ポテンシャルは伝わらない。間口が広いラーメンを通して海藻を体験してもらう入口になれば」(友廣)。



