経済・社会

2026.03.03 14:00

西側への報復うたうイランのハッカー集団、マスクのスターリンクでオンラインを維持

Photo Illustration by Samuel Boivin/NurPhoto via Getty Images

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この2日間、イランのハッカー集団Handala(ハンダラ)が、西側諸国にサイバー攻撃を行うとX上で脅迫している。米国とイスラエルによるミサイル攻撃への報復だという。だが同集団は、イーロン・マスクが率いるSpaceXのスターリンク(Starlink)など、米国技術に依存しオンラインを維持している。

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Handalaは、イランの情報安全保障省により運営または指揮

イスラエルのサイバーセキュリティ企業チェック・ポイント(Check Point)の分析によると、Handalaは少なくとも1月中旬からスターリンクの衛星インターネットを使用している。イランが外国からのサイバー攻撃を懸念して国内のインターネットを遮断した時期と重なる。チェック・ポイントのチーフ・オブ・スタッフであるギル・メッシングは、同社のデータから、Handalaが少なくともミサイル攻撃当日の米国時間2月28日までスターリンクを使い続けていたことを確認しており、現在も使用を継続していると見ている。

複数のサイバーセキュリティ専門家がForbesに語ったところによると、Handalaはイランの情報安全保障省(MOIS)によって運営または指揮されている。ハクティビズム(政治的主張を目的としたハッキング活動)を装いながら、実際には政府とつながっている複数のグループの1つだという。直近では、Handalaはイスラエルの有力政治家の個人データへの侵入に成功したと主張し、その情報をネット上に流出させたと報告されている

メッシングは「Handalaは政権が使う、最も悪名高いハッカー集団です」と述べる。彼は、ハッカーが利用していることをスターリンク側に知らせるため連絡したが、返答は得られていないという。SpaceX自体も、Forbesのコメント要請に応じなかった。

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イラン人のネット接続のため、密輸されたスターリンク端末が存在

衛星インターネット接続を提供するスターリンク端末は、イラン政権による規制に加え、米国の制裁のため、イラン国内での使用が禁じられている。だが、イラン人のオンライン接続を維持しようとする非営利団体Holistic Resilience(ホリスティック・レジリエンス)によれば、国内で稼働している端末は最大3万台に上る。検閲のない自由なインターネットへの需要を背景に、活発な闇市場を通じて端末が密輸されている。先月の報道では、トランプ政権がスターリンク関連機器のイランへの密輸を支援してきたと示唆された。主な狙いは、抗議者がテヘランで起きていることを国外に発信できるようにするためだとされた。だが、国内でのスターリンク利用を後押しすることは、Handalaのような反米グループにも恩恵を与えたようだ。

企業への攻撃成功を主張するものの、有効性は確認できず

ここ数日、Handalaは、マスクの別のプラットフォームであるXを使い、イラン支持を投稿するとともに、ヨルダンの燃料インフラや、具体名を明かしていない石油・ガス部門の企業へのハッキングに成功したと主張した。Forbesは、それらの攻撃の有効性を確認できなかった。

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翻訳=酒匂寛

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