ヘルスケア

2026.03.03 10:11

医療の未来を変えるAI活用4つの戦略

AdobeStock

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「AIは、医療システム全体において、患者が医師とどう関わるかを変えるだろうと思う」。スイス・ダボスで開催された2026年世界経済フォーラム(WEF)会期中の「Imagination in Action Davos AI Summit」で、グプタ氏はForbesにそう語った。「医師と患者のやり取り、創薬、市場投入に至るまで、医療のあらゆる側面が、ますます効率的になる」 グプタ氏は、米国における主要な死亡原因の1つである慢性腎臓病(CKD)の患者に対する治療を革新し、標準治療を向上させるためにUnicycive Therapeuticsを創業した。同社が開発中の、透析を受けるCKD患者の高リン血症治療を目的とした経口リン吸着薬が米食品医薬品局(FDA)の承認を待つなか、グプタ氏は臨床の進歩と商業的効率性が交差する領域について、独自の視点を提示する。 以下では、より高度な医療によってヘルスケアを変革するための、同氏の4つの戦略を紹介する。

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01 医師が患者に集中できるよう、雑務を自動化するAIを導入する グプタ氏は現在の医療環境を、事務作業と手作業のワークフローが医療提供者と患者の双方にとって資源を消耗させている状況だと捉えている。 「昔は、患者は15分、20分、30分と待って、既往歴を書き、フォームを記入し、医師が過去の病歴を把握できるようにしていた」とグプタ氏は言う。「しかし今は、それを合理化できる機会がある。患者が医師のもとへ行く時点で、そうした作業はすべて終わっている。そして、それはほかの5人の患者の対応で手いっぱいの看護師がやるのではない。エージェント型AI(自律的に判断・行動するAI)が担うのだ」 その結果はどうなるか。医療システムは、医師が本来の役割である「患者のケア」を取り戻せるようになる。

02 高度なAIモデルで新薬を発見し、開発する グプタ氏は、AIを用いて新たな治療法を生み出そうとしたこれまでの取り組みが、技術面とデータ面の制約によってしばしば頓挫してきたと指摘する。しかし、より正確な予測を可能にするAIモデリングの進歩により、Unicyciveが開発しているような生命維持に資する治療薬の研究・試験・開発を、より迅速に進められる機会が生まれている。 「(当時の)制約は、AI、すなわち機械学習アルゴリズムに十分なデータがなかったことだ」と同氏は説明する。「だがこの10年で、何十億ドルもの投資を重ね、多くの企業がより適切に学習されたモデルを手にした。これにより、創薬の成果を改善できるようになるだろう」

03 AIを活用し、臨床試験の被験者募集を合理化する グプタ氏は、臨床試験に適切な参加者を見つけるための物流的課題が、現代の創薬における主要なボトルネックだと指摘する。AIは膨大な医療記録を迅速に解析し、患者と適切な試験をマッチングすることで、募集プロセスの簡素化と合理化に寄与できると同氏は考えている。 「試験運営で直面する課題の1つは、適切な患者が、適切な試験に、適切な薬で参加できていないことだ。だが追跡できる医療記録があれば、効率性が生まれる」と同氏は言う。 グプタ氏は、AIの実装が商業化コストを削減し、治療をより早く患者に届けるうえで不可欠だと見ている。

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04 緊急性の低い健康上の懸念にAIで対応する グプタ氏は、一般的な健康上の懸念を解決するためにAIを使うことが、医療提供者と患者の双方に利益をもたらすと考えている。 「たとえば、母親が午前4時に病気の赤ちゃんのことで電話してきたとする。その場合、緊急性がそれほど高くない質問に答えられるAIエージェントが、もっといてもよいかもしれない」と同氏は説明する。 グプタ氏は、こうした特定用途向けにAIツールを汎用品化することは、資源の逼迫を緩和し、最終的には医療エコシステム全体にわたるAI統合の成功を後押しすると示唆する。

forbes.com 原文

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