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2026.03.03 09:00

ドバイ脱出を急ぐ富裕旅行者、プライベートジェット価格が急騰 中東軍事衝突で

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多くの航空会社が乗り入れ、主要な航空路線の経由地でもあるアラブ首長国連邦(UAE)のドバイ空港は、イランによる攻撃を受けて米国時間2月28日以降閉鎖されている。同日には約300便が欠航し、数千人もの乗客が足止めされた。

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限定的な運航再開が米国時間3月2日に見込まれているが、全面再開はまだ見通せない。富裕層の旅行者はドバイから脱出しようとオマーンやサウジアラビアの空港へ向かっている。

プライベートジェット仲介のJetVIP(ジェットビップ)の広報担当アルタイ・クラによると、プライベートジェット需要が高まっている一方で、中東での運航を引き受ける事業者の数は急減しているという。

Air Charter Service(エア・チャーター・サービス)のジェームズ・リーチは、中東地域で通常チャーターに使われる機材の多くが閉鎖されている空港に駐機しているため、遠方からチャーター機体が送られており、そのため平均価格が上昇していると説明した。

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両氏によると、オマーンのマスカット国際空港と、ビザ制限の影響で同空港ほどではないもののサウジアラビアの首都リヤドにある空港が主要な代替拠点となっている。米ニュースサイトのセマフォーの報道では、要人警護などを請け負う警備会社がプライベートジェット機を利用する顧客を離発着がまだ可能な空港まで輸送するためにSUVを大量に押さえているという。

脱出しようとしている人々には世界的な金融機関の上級幹部や、出張や休暇で中東地域に滞在している富裕層の旅行者が含まれるとセマフォーは報じた。

クラによると、脱出するための航空便の大半はトルコのイスタンブールや英ロンドン、イタリアのローマに向かっているという。マスカットからイスタンブールへの小型ジェット機便の価格は通常の約2倍にあたる9万3000ドル(約1460万円)以上で販売されており、同区間の大型ジェット機便の価格は14万ドル(約2200万円)に達している。

ドバイからマスカットまでは車で約5時間かかる。ここにはUAEのハッタの国境検問所の通過にかかる時間は含まれず、リーチによると米国時間3月1日時点での所要時間は3〜4時間だった。UAEとサウジアラビアの国境にあるアル・バサ検問所の通過にかかる時間を除くと、ドバイからリヤドまでは車で約11時間かかる。

米国とイスラエルによるイランへの攻撃で同国の最高指導者が死亡し、中東は米国時間2月28日に軍事衝突に突入した。米紙ニューヨーク・タイムズの報道によると、米国とイスラエルはイラン国内の2000以上の標的を攻撃した。これを受けてイランは中東にある米国の関連施設や同盟国にドローンとミサイルで報復攻撃している。これまでに少なくとも米兵4人が死亡し、ドバイ、バーレーン、オマーン、クウェートでも死者が報告されている。イランの高官は米国とは「交渉しない」と述べ、ドナルド・トランプ米大統領は米国時間3月2日、「本格的な攻撃はまだ始まってもいない」と語った。

多くの航空便が欠航し、原油価格が急騰したことを受け、米国時間3月2日の株式市場では航空会社の株価は大幅に下落した。国際的な原油指標の北海ブレント原油は3月2日に約8%上昇し、2025年1月以来の高値を付けた。価格は1バレルあたり約79ドル(約1万2400円)に達し、戦争が長期化すれば100ドル(約1万5700円)を超える可能性があると指摘するアナリストもいる。原油価格の上昇は航空機のジェット燃料費の増加を意味し、軍事衝突は旅行キャンセルの急増を招く可能性が高い。

forbes.com 原文

翻訳=溝口慈子

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